足球即时比分_365体育直播¥球探网6年3月14日(木)から3月16日(土)に、なら100年会館?近畿大学奈良キャンパスにて対面開催された「日本農薬学会第49回大会」において、大学院農学研究科の山内聡教授が『農薬開発を目指したリグナン類の合成および構造活性相関に関する研究』という論文題目で「業績賞(研究)」を受賞しました。
リグナンとは、古くから知られる天然ポリフェノール類の1群で、多くの植物によって作られる有機化合物群です。山内教授は、自然界に存在する身近な化合物の機能や利用の可能性を調査し、新たな農薬の開発に活かす事を目的に研究を進めてきました。
リグナン類の生物活性を調べる時に問題になるのが立体異性体の存在です。紙の上に平面的な化学構造式を書いた時に、その中に1つ不斉炭素(炭素に結合している4つの原子または原子団が異なる炭素)が存在すると鏡写しの関係にある1組の鏡像異性体、すなわち2つの立体異性体が考えられ、2つの不斉炭素が存在すると4つの立体異性体が考えられます。このような場合は、すべての立体異性体の生物活性を明らかにしないとその化合物の機能を明らかにしたことにはなりません。
そこで、有機合成化学的手法を用いて、多くのリグナン類の立体異性体の合成を行い、立体異性体間での生物活性の違いを評価しました。その結果、最も高い生物活性を示した立体異性体について、構造が生物活性に与える影響をさらに調べ、農薬への応用を目指してきました。現在までに、殺ボウフラ化合物、植物の成長を促進、または、阻害する化合物、植物病原性カビの成長を阻害する化合物を得ており、身近な植物に含まれる化合物を基に新たな農薬の開発が期待されています。
山内教授のコメント
研究を行っていると、時々予期せぬ結果と遭遇しますが、この想定外の結果を楽しみ、活かしながら研究を続けています。この研究に、多くの卒業生が卒業、修士論文研究として取り組みました。彼らは現在、農薬会社、化学会社をはじめとして、様々な職種で活躍しています。この受賞を励みにして、さらに、研究、教育に邁進したいと考えています。
<大学院農学研究科>