この会議は、平成19年4月に、当院が愛媛県のエイズ診療中核拠点病院に指定されたことを受け、県内のエイズ診療体制の充実を図り、エイズ診療病院や各保健所等の医療従事者及び関係者が情報交換を行うことを目的に毎年開催しています。当日は、県内のエイズ診療に携わる医師や看護師、保健師、医療ソーシャルワーカー、薬剤師など約40人が参加しました。
はじめに、愛媛県保健福祉部健康衛生局健康増進課感染症対策係長の下田勝氏から開会の挨拶があり、続いて、愛媛県立衛生環境研究所衛生研究課疫学情報科長の青木紀子氏から、HIV/AIDSの届出状況等の報告がありました。青木氏は、愛媛県では毎年新規感染者が増加しておりHIV感染者は30歳代が最も多いがAIDS患者は30~50歳代が多いこと、さらに50歳代ではAIDS発症後に診断される例が8割を占めていることなどから、感染予防の啓発と発症前の早期発見が重要であると述べました。
その後、当院の第一内科の宮﨑雅美副看護師長、渡部美沙看護師より、第32回日本エイズ学会学術集会?総会に参加した際の報告があり、全国の他病院の取り組みや、看護師の役割について述べました。続いて、当院総合臨床研修センター長の高田清式教授から、当院のHIV診療の現況について、実際の症例を交えながら説明がありました。また、本会議開催に先立って参加病院を対象に実施したアンケート結果として、当院と県内他病院のHIV診療における連携状況や、各病院での診療実績、患者への対応方法などが報告されました。
最後に、徳島県立中央病院血液内科医療局次長の尾崎修治氏をお招きし、「徳島県におけるHIV診療の現況」と題してご講演いただきました。講演では、徳島県におけるHIV診療の現況や対策方法に加えて、HIV患者が普通に歯科治療を受けられるよう、徳島大学病院が中心となり徳島県、徳島県歯科医師会および同県内の全歯科医院が一丸となり医療環境づくりに尽力しているとの話がありました。講演後には、参加者から多くの質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。
当院では、今後も県内の各医療機関と連携し、エイズ診療体制の更なる充実を図ります。
<医学部>