大学院理工学研究科電子情報工学専攻1年生の行宗詳規さん、藤原亮さんと大学院理工学研究科の石川史太郎准教授が作製のナノスケールワイヤ材料から近赤外通信帯域1μmにおいてレーザー発振が確認され、Nano Letters誌に論文が掲載されました。
近赤外帯の極微小レーザーは主に情報光通信に用いられますが、センシングや生体イメージ、計測用途にも利用される用途の広い光源です。微小な素材からレーザー光が発生させられればそれらを目に見えないほどに小型化可能であり、この実現が望まれ多くの研究がなされています。
行宗さん、藤原さんらはGaAsという従来から使用される素材に微量の窒素を導入することでその波長を赤外域に拡張することにすでに成功しており、今回、同素材高品質結晶合成に成功しました。その結果、長さ5μm、直径約300nmの微小なナノワイヤ構造中での強い発光強度を得ることができ、共同研究を行うスウェーデン?リンショピン大グループによってレーザーとして動作することが確認されました。
同結果は2019年1月、Nano Letters誌に速報されました。
参考1:2019年1月4日速報
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.nanolett.8b04103
“Near-Infrared Lasing at 1 ?m from a Dilute Nitride-Based Multishell Nanowire”
Shula Chen, Mitsuki Yukimune, Ryo Fujiwara, Fumitaro Ishikawa, Weimin M Chen, and Irina A Buyanova, Nano Letters, ASAP, 2019.
参考2: 窒素の高濃度 高品質導入による発光波長の赤外域拡張に成功 https://aip.scitation.org/doi/10.1063/1.5029388
“GaAs/GaNAs core-multishell nanowires with nitrogen composition exceeding 2%”
Mitsuki Yukimune, Ryo Fujiwara, Hiroya Ikeda, Kohsuke Yano, Kyohei Takada, Mattias Jansson, Weimin Chen, Irina Buyanova, and Fumitaro Ishikawa, Applied Physics Letters 113, 011901, 2018.
<大学院理工学研究科>