平成21年7月22日(水)、防災情報研究センターとバンドン工科大学地球科学部との国際交流セミナーを開催しました。
これは、理学部との交流協定調印のために来学されていたバンドン工科大学の代表団のうち、斜面災害や水理地質を専門にされている2人の先生をお招きしてお話を伺ったもので、学内の教員?留学生など10人が出席しました。
まず、バンドン工科大学地球科学部大学院教育プログラム委員長のイマム サディスン博士が、「インドネシアの斜面災害の地質要因とリスクマップの発展」と題して講演を行い、インドネシアの最近の豪雨による土砂災害の例を幾つか紹介した上で、地形や地質、気象などの要素を基準にした各県や市町村など行政区ごとの土砂災害可能性マップや、インドネシア気象庁が地質?地形条件によるデータと雨量予測とをあわせて作成し、毎月発信している災害予測マップなどを紹介しました。
次に、飛び入りで、高島 勲防災情報研究センター客員教授が、「ジャワ島東部のスラバヤ付近の泥火山」と題して講演を行い、2006年にジャワ島東部のスラバヤで発生した泥火山は、大規模な泥水の噴出と洪水が発生し、多くの住民が避難した大災害であり、未だに噴出し続けていること、インドネシア政府は泥水湖の周辺に堤防を応急的に築いたものの抜本的な対策はできていない等の報告を行いました。
最後に、バンドン工科大学地球科学部長のランボク フタソイト博士が、「インドネシアの水理地質」と題し、インドネシアにおける1)水資源、2)地下水汚染などの環境、3)水に関わるエネルギー、4)災害、など多岐にわたる課題を報告しました。特に、ジャカルタやバンドンなどの大都市の飲料水は60%以上を地下水に頼っており、都市の肥大化と共に大きな地盤沈下を引き起こし、更には塩水化問題も深刻化していると報告しました。
参加した教員や留学生からは活発な質問があり、現地の研究者との貴重な交流の場となりました。