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沿岸環境科学研究センターの齋藤光代研究員が日本陸水学会学会賞吉村賞を受賞

平成22年9月19日(日)、弘前大学で開催された日本陸水学会第75回大会において、沿岸環境科学研究センター(環境動態解析部門)の齋藤光代研究員が第12回日本陸水学会学会賞吉村賞を受賞しました。

この賞は陸水研究に新たな貢献をなした日本陸水学会会員に対し、その業績を表彰することにより研究を奨励し、陸水学の活性化を図ることを目的として創設された同学会の代表的賞で、機関誌「陸水学雑誌」および「Limnology」に掲載された論文の第一著者から選考されるものです。

受賞論文は「沿岸農業流域における地下水による硝酸性窒素流出の季節変動特性(齋藤光代?小野寺真一)」(陸水学雑誌70: 141-151, 2009)と題するもので、農地が広く分布する瀬戸内海沿岸域において、地下水中で脱窒反応による硝酸性窒素の自然減衰が生じていることを確認し、さらに地下水流速の季節変化によって反応の大小が決定され、「地下水によって海域に供給される硝酸性窒素量に季節変動がある」ということを明らかにした研究です。本論文によって得られた結果は、これまで十分に解明されていなかった陸域から海域への地下水による窒素供給を定量的に評価する際の有益な情報に繋がり、陸水学の枠組みに限らず、沿岸海洋学的にも重要かつ新たな知見を見出したという点が高く評価され、今回の受賞に至りました。