平成22年3月22日(月)?24日(水)、ホテル奥道後において、本学理工学研究科プラズマ?光科学研究拠点形成プロジェクト主催の「液中プラズマ国際ワークショップ (International Workshop on Plasmas with Liquids, IWPL 2010)」を開催しました。
本学では、大気や液体を含む高密度ヘテロ媒質中でのプラズマ科学技術の研究を推進していますが、そのプロジェクトの主催で、液体が介在するプラズマの生成技術や物理?化学的なメカニズム、ならびにその応用技術に関する最先端の研究成果についての情報交換や、この分野での世界的な研究者との相互交流を目的として、標記の国際ワークショップを開催しました。国際会議として、液体関連のプラズマにテーマを限定したものは世界で初めての試みでしたが、「道後の湯につかりながら、液中プラズマに関する熱い議論を」という呼びかけで、欧米や日本を含むアジア諸国など世界の9ヶ国から約90人の参加者を得て、盛況のうちに会議を実施することができました。柳澤康信学長による歓迎の挨拶、組織委員長の橘邦英教授による開会挨拶に続いて、基調講演2件、招待講演13件を含めて、約60件の論文発表がなされました。
基調講演では、群馬大学の佐藤正之名誉教授が、これまでの液中プラズマ関連の研究の歩みや将来の展望について講述され、フロリダ州立大学のLocke教授が液中での放電プラズマ生成や化学反応のメカニズムについてのレビューを総括的にわかりやすく説明されました。液中や液体表面で発生させたプラズマは、様々なナノ粒子や炭素系材料などの合成のほかに、有害物質の分解や殺菌?滅菌などの環境技術、水素の生成や炭素の固定化などのエネルギー関連技術への応用が広く期待されています。さらに、本学では水産業や農業、繊維産業などの地場産業への新しい応用を目指した研究がスタートしようとしています。この国際会議を通して、愛媛に液中プラズマの研究拠点があることを世界に発信でき、今後の国際交流への展開につながるものと期待されます。
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