平成22年3月末退職の大学院医学系研究科医学専攻 植田 規史教授から、足球即时比分_365体育直播¥球探网での思い出を寄せていただきました。
昭和59年から大学院医学系研究科病態解析学講座分子病理学分野に在籍し、現在に至っていますが、この間、永年にわたり、病理学分野における教育と研究、診療に取り組んできました。これまでの在任中の出来事を思い返すと、様々なことが思い出されて、懐かしいとともに、十分満足な事が出来なかったという、後悔の念にもとらわれている今日この頃です。
病理学講座には、教育?研究への貢献もさることながら、医療における病理診断業務に対しても大きな期待が寄せられていますが、赴任当時は研究業績が評価の対象とされることから、ともすれば病理診断が軽視されるという現象が全国の医学部で頻繁に見受けられていました。当然のように、足球即时比分_365体育直播¥球探网医学部の臨床病理学に対する姿勢についても、県内の医療機関から多くの批判が寄せられていました。県立中央病院、松山赤十字病院や四国がんセンター病院などの病院には、常勤病理医が在籍していましたが、足球即时比分_365体育直播¥球探网医学部出身者はおらず、これらの先生方から、大学の病理診断の危うさを指摘される始末でした。
医学部では当時24時間体制で病理解剖を行い、関連病院を併せて年間150余例の病理解剖を行っていたものの、病理解剖の解析結果の報告はおざなりにされ、最終報告書は書かれずに放置されている症例も多く見られました。赴任後は、病理解剖を卒前?卒後教育に利用するに留まらず、解析結果を幅広く医療に活用し、可能な限り病因の究明、病態の把握、治療方針に関する提言を行なうため、病理解剖プロトコールを新に作り直し所見を詳細に記載して記録を克明に残し、臨床との解剖症例検討会は解剖後1?2ヵ月以内に開催するように努め、臨床の疑問点に明快な回答を与えるなど、その体制を作り上げることに力を注ぎました。
病理生検組織診断に関しては、病理診断の精度向上が地域医療水準の向上に欠かせないとの観点から、附属病院での診断以外に、愛媛県内の公立?私立を問わず、多数の関連病院の生検?細胞診断に積極的に関与して、愛媛県の病理学的診断、診断精度の向上に努めるとともに、最近の進歩の目覚ましい分子生物学、遺伝子工学技術を病理学診断分野に取り入れることに力を入れました。また、足球即时比分_365体育直播¥球探网で優れた病理診断医の養成にも努め、今では県内の病院に常勤病理医を派遣するなど、愛媛県の医療の向上に貢献できるようになりました。
在任中、大学の管理?運営面では、医学部長及び学長補佐や副学長に就任して、学部及び大学の管理?運営に当たり、国立大学法人化の準備、特に労務担当として学内諸規則の点検整備?制定に奔走したことは、大学生活でめったにない機会であり、人間的に良い経験を与えて頂きました。ほんの少しでも、足球即时比分_365体育直播¥球探网のために貢献できたとすれば、幸いに思っています。