平成23年10月23日(日)、足球即时比分_365体育直播¥球探网未来の科学者養成講座「分野別課題研究成果報告会」を実施しました。
独立行政法人科学技術振興機構の協定事業「未来の科学者養成講座」は、文部科学省の理数教育強化施策の一環として、大学等が理科や算数?数学の分野で高い意欲や能力のある児童?生徒に対して、高度で発展的な学習環境を継続的に提供する取組であり、現在15大学において本事業による講座が実施されています。本学の講座「生命科学を機軸とした発展型科学者養成プログラム」は、愛媛県と近県の中学3年生及び高校1年生が、約1年半継続して生命科学および関連する物理、化学、医療、環境、食品など分野の学習と研究を進めます。今年は3年目の実施となり、3期生が本年6月から受講を開始しています。
分野別課題研究成果報告会は、10月23日(日)9時30分から総合情報メディアセンターメディアホールにおいて、講座の受講生1期生から3期生の約30人、その保護者、高校教員、学習や研究を指導した本学教員など約30人が参加して開催されました。
午前の部では、平成22年6月から受講を開始した2期生による報告でした。昨年6月から「家庭でのDNA抽出実験」、「ライフサイエンスキャンプ」、「通信講座による学習」、「ヤングジェネレーションのための先端科学」などの学習プログラムを段階的に進め、本年7月から9月に最終ステップである「分野別課題研究」に取り組みました。発表内容は「宇宙年齢」、「分子模型のモデリングシステム」、「好熱性古細菌のタンパク質」、「味覚と味センサー」、「マラリア原虫のタンパク質」、「パーキンソン病と治療薬」、「神経細胞の多様性」、「食物アレルギー」、「植物の環境ストレス応答」、「昆虫の構造色」など、生命科学に限らず多様な内容であり、高校ではできないような高度な内容も含まれていました。実験の期間が限られていたため、研究としての完成度は高くはありませんが、1年間の学習がなければ理解できないような内容を、相互に発表することによって、受講生が興味や関心をさらに高めたことと思われます。
午後の部では、平成21年7月から受講を継続している1期生による報告などが行われました。1期生も同様の学習プログラムと課題研究に取り組み、昨年10月に「分野別課題研究」の成果を報告しました。一部の受講生はさらに研究を継続し、その成果を本年9月に東京で開催された未来の科学者養成講座全国交流会で発表しました。その研究内容が2期生、3期生の参考となるように、今回の報告会においても発表しました。1期生による発表は「カワヨシノボリの神経系の形成と行動」、「脳梗塞巣に集積する細胞のTLR3リガンド」、「スギ花粉によるヒスタミン遊離」などに関する内容で、より充実した実験結果と理論的考察が加えられ、高校生とは思えない完成度の高さや独創性が感じられました。受講開始当時、高校1年生だった受講生も現在は高校3年生となり、受験勉強で忙しい中での発表であったにもかかわらず、さすがに堂々とした発表で、今後学習を進める3期生にとって大変な刺激になったものと思われます。
このほかにも、県立小松高校の受講生(3期生)による自主的な取り組みによる「ウズラ」に関する研究についての紹介もありました。
発表終了後、佐藤成一理工学研究科長から「高校生とは思えないような立派な内容と発表です。予想したとおりの結果にならなくても、失敗と考えるのではなく、原因を探ってみると意外な発見につながることがあります。これからも熱意をもって科学に取り組んでください。」と激励を受けました。2期生には講座の修了証および参加者の投票による優秀賞などが授与され、プログラムが一段落したことにほっとした様子でした。本講座の受講生の今後の活躍を期待したいと思います。
<理学部>