沿岸環境科学研究センター 化学汚染?毒性解析部門の岩田久人教授が日本生態学会の「第16回生態学琵琶湖賞」を受賞しました。生態学琵琶湖賞は、水環境に関連する生態学およびその周辺分野における50歳未満の優れた研究者に贈られる賞です。滋賀県によって1991年に創設され、第15回より日本生態学会が実施主体となりました。受賞式は平成23年7月10日(日)に滋賀県立県民交流センターであるピアザ淡海で開催されました。
今回の受賞に際しては、水生生物に対する化学物質のリスクの評価に向けて、分子生物学?バイオアッセイの手法を取り入れて研究を展開し、化学物質の暴露量という環境要因に加えて、水生生物の感受性という遺伝的要因まで含めて科学的に解明した点が高く評価されました。
授賞式では、嘉田由紀子滋賀県知事から表彰状が授与され、その後「環境汚染物質と野生動物 ?リスクを評価する方法?」と題した講演がありました。
以下は受賞記念講演の要旨です。
「野生動物の個体数減少や奇形発生の原因として、化学物質による環境汚染の影響が指摘されています。化学物質のリスクを評価することは、野生動物の試料が容易に手に入らないことや化学物質に対する感受性が種によって違うことから、現在でも難しい課題です。しかしながら、私たちの研究によって、細胞内受容体や異物代謝酵素の機能を調べることで、その評価を可能にする道が見えてきました。講演では、ダイオキシン類のリスク評価に関する最近の成果について報告します。」
<沿岸環境科学研究センター>