平成23年5月30日(月)に、東京都港区キャンパスイノーベーションセンター内の本学サテライトオフィス東京で、農学部逸見彰男教授が率いる全国的な産学官組織の「人工ゼオライトフォーラム」が、総会を開催し、この中で、東日本大震災の復興技術及び原発事故対策技術に関する講演会を開催しました。
「人工ゼオライトフォーラム」は、逸見教授が本学で発明した地球循環型の機能性新素材「人工ゼオライト」技術を環境ビジネスとして事業に扱っている企業を正会員として、関連の研究を行っている大学や公設試験研究機関に属する方々が、特別会員の形で参加して組織した産官学からなる公益団体です。このフォーラムは、環境新世紀の幕開けといわれた21世紀始まりの年である2001年に設立されました。人工ゼオライトについての諸技術の応用拡大及びその認知活動を通じて、健全な市場形成を促し、製品の普及促進を図り、そして、地球環境問題やエネルギー問題を解消して、もって関連産業の発展と国民生活の向上に寄与することを活動目的としています。
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波、さらに、地震と津波が引き金となった東京電力福島原子力発電所の大事故という未曾有の大規模災害からの復興が、我が国の最重要課題となっています。そのような状況の中、今回の講演会は、人工ゼオライトをいろいろな形で利用し、災害からの復興を促進する技術の提供や提案を行うことを目的として開催しました。
人工ゼオライトの高い吸着能力を活用して、放射性廃水のセシウムやストロンチウムを吸着除去し浄化したり、放射性物質で汚染された土壌を改善したりする技術、津波で海水がかかり塩害を発生している土壌の改良技術、狭い避難所での生活環境改善(脱臭や抗菌など)の技術などについて提案しました。また、中部電力など、いくつかの企業で事業化されている人工ゼオライト及び人工ゼオライト応用製品を用いて、災害復興など、現在我が国が抱える大きな課題を解決できる可能性を示唆しました。
本学サテライトオフィス東京の地の利を活かして、全国の様々な分野の企業の参集によって開かれた今回の講演会は、本学で開発された人工ゼオライト技術が実社会の現状に則して貢献できることを示し、足球即时比分_365体育直播¥球探网の知名度向上に寄与できる機会になりました。本学サテライトオフィス東京のさらなる重要性と、地域に加え全国をも視野に入れた社会貢献を展開することの必要性と重要性を再認識することができました。
<農学部>