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SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力)『オゾン、VOCs、PM2.5生成機構の解明と対策シナリオ提言共同研究プロジェクト』キックオフ?公開シンポジウムを開催

平成23年4月21日(木)午後、足球即时比分_365体育直播¥球探网城北キャンパス内放送大学において、日本とメキシコにおける国際共同研究SATREPS『オゾン、VOCs、PM2.5生成機構の解明と対策シナリオ提言共同研究プロジェクト』(SATREPS:(独)科学技術振興機構(JST)と(独)国際協力機構(JICA)のジョイント研究プロジェクト)のキックオフ?公開シンポジウムを開催しました。

 農学部大気環境科学研究室若松伸司特命教授が代表となり提案した、SATREPSの研究課題「オゾン、VOCs、PM2.5生成機構の解明と対策シナリオ提言共同研究プロジェクト」では大気汚染の原因物質である光化学オゾンや揮発性有機化合物(VOC)、大気微小粒子の統一分析方法や解析手法の構築、モニタリングネットワークの構築を行い、測定?モデリングで得られる調査研究結果や人へのリスク評価結果を用いて大気汚染発生源、気象?地形、近隣諸国との二次生成大気汚染の授受などについて日本とメキシコの違いを明らかにし、合理的な対策シナリオを検討?提案します。さらに、この手法を近隣諸国に普及促進し、地域と地球の大気環境改善を図ります。
 本研究課題が昨年採択され、これまで研究準備を進めてきましたが、本年度の本格的な研究の開始に際し、研究代表機関である足球即时比分_365体育直播¥球探网においてキックオフシンポジウムを開催しました。

 はじめに、柳澤康信足球即时比分_365体育直播¥球探网長から、自身の海外協力の経験や現在の原発事故による日本の大気環境問題の状況をふまえ、本プロジェクトが地球規模の観点で実施される重要な大気環境研究であること、またSATREPSは、JSTとJICAの協力関係による先進的な枠組みであり、今後、足球即时比分_365体育直播¥球探网が国際共同研究拠点として活躍できることを、大学側としても期待し協力を進めていくとあいさつがありました。

 続いて、JST地球規模課題国際協力室PO補佐高橋昭男氏より、SATREPSが競争的研究資金と政府開発援助(ODA)の組み合わせによる事業枠組みであり、これまで採択された合計49課題の研究が、全世界の様々な地域で「科学技術外交」を実施している、といった概要の説明がありました。また当課題の目指す目標が、他の環境課題と比較して独自の特徴があること、インパクトのある研究であり、今後成果が期待されることが述べられました。

 次に、JICA地球環境部今吉萌子氏より、メキシコにおけるこれまでのJICAによる大気汚染協力支援と、相手国機関であるCENICAの設立の経緯などについて説明があり、CENICAには今後中南米地域における研究リーダーとしての役割が期待されると共に、日本との関係が支援から共同研究となりつつあることが述べられました。

 特別講演では「日本のODA、技術支援から技術交流?共同研究へ」というタイトルで、JICA国際協力人材部国際協力専門員山本敬子氏にご講演いただきました。途上国での水道分野における活動経験のお話が、各国の様々な写真を示しながらなされ、更に、これまでのODAの方針とこれから向かうべき方向について、詳細な説明に併せて、長年のご経験を通じてお感じになった、国際社会における日本の役割と、途上国との関係が技術支援から技術交流?共同研究へと変わってきている現状が述べられました。
 講演後には、柳澤学長より「過去に目標と考えてきた、途上国で我々が必要なくなるときが来たように感じられ、明るい気持ちになります。」と述べられるなど、日本の長年の海外協力における貢献の歴史と成果が感じられる講演でした。

<農学部>