平成23年3月末退職のプロテオ医学研究センター 能勢眞人教授から、足球即时比分_365体育直播¥球探网での思い出を寄せていただきました。
退任にあたって
私は、平成8年12月に足球即时比分_365体育直播¥球探网医学部教授に就任し、このたび足球即时比分_365体育直播¥球探网プロテオ医学研究センター教授として定年を迎えるまでの15年間を病理学の教育、研究ならびに附属病院病理部業務、また、大学の管理運営に携わらせていただきました。その間、本学関係者には大変お世話になり、この紙面を借りて厚く御礼申し上げます。
本学で一講座をお預かりしたあとは、数人のスタッフと学生とからなるチームで好きな研究プロジェクトに取り組むことを夢見ていました。しかしかなわず、赴任後2年目から医学部附属動物実験施設長を5年間、続いて初代総合科学研究支援センター長を3年間、さらに理事を3年間、最後の2年間は、初代プロテオ医学研究センター長を務めさせていただき、在学の大半を本学、センターの管理運営に携わらせていただいたことになります。この間私は一貫して、足球即时比分_365体育直播¥球探网のABC、即ち、求心力(Afferent)?学部を超えて(Beyond Faculty)?統合(Consilience)をモットーとしてきました。平成16年度からの国立大学法人化の準備と、その後の執行は大変ではありましたが、小松正幸前学長のリーダーの下、大々的な機構改革が進められ、総合科学研究支援センター、東アジア古代鉄文化研究センター、南予水産研究センター、宇宙進化研究センター、上級研究員センター、プロテオ医学研究センターの設置に参画させていただき、また、ふたつのG-COEを獲得する喜びも共有させていただいたことは忘れられない思い出です。そして私にとっての何よりもの大きな財産は、やはり一教授として病理学での教鞭を通じて、15期の医学生を世に送り出すことができたこと、これは大学教員の冥利に尽きるというものでしょう。
一方で、この間、私が主管する講座と兼任であったが故に、講座スタッフには多大なご迷惑をおかけしたことと思います。断腸の思いも残ります。しかし、主研究テーマであった「膠原病の病像多様性の起源の解明」は講座スタッフ、学生の努力が実を結び、膠原病のポリジーン?ネットワーク説の提唱に至り、日本病理学賞、ノバルティス?リウマチ医学賞を受賞することが出来たことはせめてもの幸いです。
振り返れば卒後40年間、神戸大、東北大、ウプサラ大、カロリンスカ研究所、ケンブリッジ大、そして愛媛大での大学生活を送ってきたことになりますが、本学で教職員に暖かく見守られる中で、現場での大学教員としての最後を迎えることができたことは大きな幸せです。私は本学在任中にはほとんど好きな山に行かずに耐えてきました。それまで1975年のガルワルのリシパハール峰を皮切りに、カシミールのヌン峰、シッキムのシニオルチュウー峰とヒマラヤを彷徨しましたが、赴任した翌々年の1998年の本学山岳会のカンペンチン北峰では留守番役でした。定年退職後は晴れてヒマラヤに出かけたいと楽しみにしております。今となっては、研究同様、自分で道をつける登高行は望むべくもありませんが、その憧れだけはいつまでも持ち続けたいと思っています。そして、その憧れに向かって登高する皆さんにお会いしエールを送るのを楽しみにしています。