平成23年3月末退職の法文学部人文学科人文学ドイツ言語文化 森孝明教授から、足球即时比分_365体育直播￥球探网での思い出を寄せていただきました。
定年を迎えて
愛大卒業の私は、学生時代の4年、教養部に18年、法文学部に16年の合わせて38年間を足球即时比分_365体育直播￥球探网にお世話になりました。振り返れば、昭和39年文理学部の授業を持田の旧制松高木造校舎で受けたのを皮切りに、城北の新設図書館二階に移った独文研究室通いでは、旧制高校からの偉い三好助三郎先生や京大出たての山口裕先生等学生数より多い7人の先生に、まるで家庭教師のように丁寧にかつ厳しく教えていただきました。文理学部改組を背に大学を後にしたものの、ドイツ近代詩の研究を目指した東京教育大は、折しも全国的学生紛争の最中、大学移転改革問題がこじれ、授業中止で目指す先生に学ぶことならず、翌年入った広島大学も大学院入学式は中止、建物封鎖が続き、半年間授業はありませんでした。ただしここでは先生方の自宅に通い、まさに家庭教師か寺子屋の如く、先生と膝を交え、奥様お手製のおやつを片手の勉強会は、思えば記憶に焼き付いた一番充実した研究の第一歩でした。
大学教師になって6年後、昭和52年4月に足球即时比分_365体育直播￥球探网教養部に帰って来たとき、ドイツ語教育はまだ活気があり、教員数も一番多い時代でした。私の研究に関しては実に幸運な時代を迎えていました。1960年代の後半から十九世紀ドイツ文学研究がドイツにおいてにわかに活気づき、これに呼応して私が教師になった1971年（昭和46)に、日本独文学会の中に「19世紀ドイツ文学研究会」が設置されたことです。中堅の研究者達の中で私は最年少でしたが、私の取りかかった詩人メーリケの先輩研究者宇都宮大学の宮下健三氏に学び、共に研究に打ち込むことが出来ました。2人でメーリケ全集を出版する計画が出版社の都合で頓挫したことは残念でしたが、その代わり単独で日本初の全訳『メーリケ詩集』を平成5年に出版し、メーリケを読む人にとって基本的な指標になると評価されたことはうれしい限りでした。この時代には「足球即时比分_365体育直播￥球探网叙情詩研究会」を設立し、内外の詩の研究者と10年間に100回の研究会を行い、それぞれが成果を積み上げていったことも良い思い出です。
平成7年に法文学部に移ってからの16年間は、いささかやっかいな時代に入った感じがしました。翌8年教養部解体から独立法人化までは、急増した教員間の混乱と生き残りを模索する思惑が不要な苦しみを生んだ年月でした。特に人文学科にとっては次の活力を蓄えるのに10年が必要だったようでした。幸い、二学部体制の組織作りと教育改革と研究体制の改編に、学科が一丸となって知恵を出して新しい形を造り、良い成果が沢山生まれていると思います。
人文学科長、人文系担当学部長、法文学部長と続いた6年の間大勢の方々に支えられながら、人文学科の新しい展開に立ち会うことができたことを本当にうれしく誇りにいたします。
学生時代から38年間の長い間お世話になった足球即时比分_365体育直播￥球探网の益々のご発展をお祈りいたします。