農学部環境産業応用化学(旧 環境土壌学研究室)の逸見彰男教授が、インド国立技術研究所が主催した「International Conference on Green Power Generation Vision:2020 」に招待され、平成22年12月4日(土)から11日(土)までインド共和国に滞在し、特別講演を行いました。
最近、「グリーン?ニューディール政策」という言葉が飛び回っており、この政策の広がりに伴って、各国において、様々な形で、グリーン振興政策がとられるようになっています。こうした中、環境に調和したクリーンな電力生産や不要物を出さないゼロエミッション型の発電所が要求されるようになっています。
今回のセミナーは、こうした国際情勢を受けて、インドでも有数の石炭火力発電地帯である、ウッター?プレディッシュ州のレヌサガーという場所で開催されました。この付近は、豊富に産出する石炭資源を活用して火力発電で大量の電力を生み出しており、アルミニウム精錬を行う一大産業地帯となっています。
特別講演のテーマは、「Fly ash – white gold of thermal power plants in India」で、環境産業に関わる技術である「人工ゼオライト」について講演を行いました。この一帯は、エネルギーの多くを石炭火力発電に頼ってるため、副産物として大量の石炭灰が排出されています。この石炭灰を、多くの役立つ機能を持つ「人工ゼオライト」に転換し活用することで、ゼロエミッションをめざして、この国の水処理や土壌改良などに有効利用する技術を紹介するとともに、関連産業創出の提案を行いました。
セミナーに出席した、特にインドの技術者?研究者や事業主の方々は、本研究室で開発した人工ゼオライトの技術に大変興味を示していただきました。本学の国際交流の一環として、インドとの協力関係もこれまで以上に強化していく時期になっているように感じられました。
<農学部>