理工学研究科の内藤俊雄教授、小原敬士准教授、小西健介准教授及び総合科学研究支援センターの森重樹助教らの論文が、American Chemical Society(アメリカ化学会)の雑誌(Journal of the American Chemical Society)のSpotlights(平成24年10月22日)及びFront Cover(134号45巻/平成24年11月14日発行)に選出されました。
この学術雑誌には、世界各国から境界領域も含めた化学の広い分野の論文が投稿され、そのうち毎号数報が特に注目すべき論文としてエディターから選出され、Spotlightsとしてメーリングリスト等で公表されています。
今回選出された論文は、紫外光を当てることで金属物質に固有の磁性と伝導性を発揮し、光照射を止めると元の磁性も伝導性もない状態に戻るという新物質の開発について公表したものです。
光照射によって生じる伝導性と磁性の機能は互いに影響し合っているため、伝導性又は磁性を通じて他方の機能を検出又は制御することができる可能性があります。こうした特質は、これまでの物質には見られなかったもので、将来的には、現存しない機能を持つ電子素子、たとえば情報処理や記録に関係する、光で遠隔制御できる半導体素子への将来的な応用の可能性が考えられます。
論文名:Molecular Photoconductor with Simultaneously Photocontrollable Localized Spins
Toshio Naito、 Tomoaki Karasudani、 Shigeki Mori、 Keishi Ohara、 Kensuke Konishi、 Takahiro Takano、 Yukihiro Takahashi、 Tamotsu Inabe、 Sadafumi Nishihara、 Katsuya Inoue
Journal of the American Chemical Society、 134(45)、 18656-18666 (2012).
<理学部>