平成23年11月26日(土)、27日(日)に、社会人の学び直しニーズ対応教育推進事業「地域マネジメントスキル修得講座」の第8回目を開催しました。4月にスタートした本講座も折り返し地点にさしかかり、受講生が各自で取り組むプロジェクト研究が深まりを見せつつあります。第8回目は、従来の講義とともに、プロジェクト研究に関する討議にも多くの時間を使いました。
11月26日(土)午前は、農業政策研究室との合同企画「地域の価値を創造する6次産業化 ?自発的な取り組みを見せる9つの事例?」と題した講演会を開催しました。大隈満教授と淡野寧彦特別研究員から、全国の事例紹介がありました。事例より、地域資源の活用は1つの資源のみに頼っていると不安定である、製法や地元産を重視した取り組みが重要である、外部からの働きかけで農家の意識が変わることもある、組合活動によって企業経営を維持する、地域活動の活発化に伴って商品化がされる、などの視点が出されました。まとめとして、現在の6次産業化は必ずしも第1次産業を起点としたものになってはいないものの、成功事例は数多くあり、異業種の連携には川下からの発想が重要であることが述べられました。
11月27日(日)午前は、芳之内正幸客員教授による「地域農林漁業論」です。まず、世界的な人口増加に伴って農業や地域経済がより重要になってきていること、日本の農業の担い手像が時代とともに変化していること、世界の農業人口や農家の定義の差異などが、具体的なデータや文書に基づいて述べられました。さらに、カロリーベース、生産額ベース、重量ベースといった食料自給率の算出方法について紹介され、見方によって自給率が大きく異なっている点を指摘されました。また、愛媛県のみかん生産を例とした品種や経営戦略の転換、農業の多角化?複合化路線に沿った技術?製品?事業?組織の革新戦略の進展が紹介されました。
プロジェクト研究の検討は、26日と27日それぞれの午後に行いました。まず、鶴見武道教授より、レポートの書き方や章立てについての説明がありました。これを受けて、グループ討議で受講生が相互に進捗を確認しました。この時期、教員による個別指導の機会が多くなってきています。また、個人で深く研究する段階に来ている受講生もあり、現地へ出かけて行って調査を行うこともありました。今後、調査のとりまとめとレポート執筆が本格化してきます。受講生のみなさんにとって、年末年始が大詰めの時期になりそうです。
<農学部>