平成24年12月13日(木)?15日(土)、東京ビックサイトでエコプロダクツ2012が開催され、農学部技術室の尾上清利技術専門員と岩手県釜石市にある石村工業株式会社が共同開発した無煙暖房装置のプロトタイプを出展しました。
このプロトタイプは、尾上技術専門員が開発した無煙暖房装置のコア技術が用いられ、無煙かつ長時間の燃焼が可能であるとともに、熱電発電の組み合わせにより、電気やガスを必要としない薪や、木質ペレット等の木質バイオマス燃料での暖房も可能という特徴があります。東日本大震災以降、このような無煙暖房装置の特徴を有するストーブのニーズが高まっており、展示ブースは多くの来訪者で賑わいました。
石村工業株式会社は、暖房用装置などを製造しているメーカーで、東日本大震災の津波により、3つの工場全てが全壊となる甚大な被害を受けました。石村社長は、その現状から再開を諦めかけていましたが、被災した工場の瓦礫を片付けている社員の姿を見たこと、震災前に販売していた暖房装置を購入されたお客様から、「震災当時、暖がとれ、食事も作ることができて大変助かった。」と感謝の言葉を数多く寄せられたことなどから、暖房装置を作ろうと再起を決意されました。
そのような中、石村社長が、偶然覗いた四国TLOのホームページで、尾上技術専門員が開発した無煙暖房装置の技術を知りました。再起に向けた新製品開発のコア技術として、その技術を利用するため、尾上技術専門員に共同開発の申し入れがあり、経済産業省の「被災地復興支援事業」にも採択され、開発を進めてきたものです。
本学の技術が、被災地の復興支援の一助となり、この無煙暖房装置が、今後の石村工業株式会社の事業の柱になることが大いに期待されます。
<社会連携支援部>