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理工学研究科の皆川鉄雄教授らの研究グループがレアアースを含む新種の鉱物「Vanadoallanite-(La)」を発見し、新鉱物として承認されました【3月1日(金)】

 山口大学大学院理工学研究科の永嶌真理子准教授、東京大学物性研究所の浜根大輔博士、本学大学院理工学研究科の皆川鉄雄教授及び博士前期課程2年の冨田宣光さん、鉱物研究家の稲葉幸郎氏らのグループが共同で、レアアースのランタン(La)を含む褐簾石(かつれんせき)の新種「ランタンバナジウム褐簾石 / Vanadoallanite-(La)」を三重県伊勢市矢持町の山中から発見し、国際鉱物学連合の新鉱物?命名?分類委員会により新鉱物として平成25年3月1日(金)に承認されました。

 褐簾石は緑簾石グループの一種であり複雑な結晶構造をしています。緑簾石族鉱物はレアアースのリザーバーとして非常に高い能力をもつ鉱物です。褐簾石の結晶構造には元素が存在する席が複数有り、それぞれの席にどの元素が存在するのかを決めるのは非常に難しいのですが、今回発見したランタンバナジウム褐簾石ではランタンがA2 席に、バナジウムがM1 席に存在することを明らかにすることができました。ランタンとバナジウムの組み合わせが緑簾石グループに存在することを証明した例は本研究が世界初であり、この褐簾石は新種の鉱物として承認されました。

 今回の調査対象となった三重県伊勢市矢持町一帯は、秩父帯に属し、かつての海洋底堆積物が弱い変成を受けたのちに、地表に上がってきた付加体です。近年話題となっている南鳥島近海の海底で発見されたレアアースを含む泥の数億年後の姿に相当すると考えられています。今回の研究から、そのレアアースが数億年後に地表に現れる際には褐簾石という鉱物にバナジウムを伴って固定される可能性があることが新たにわかりました。

 なお、この研究成果は、平成25年4月2日(火)に山口大学からプレスリリースされました。

※研究内容の詳細は、以下の「山口大学からのプレスリリース資料」をご参照ください。

山口大学からのプレスリリース資料(PDFファイル 2,551KB)

<理学部>