平成25年8月10日(土)、愛大ミューズM実験室1で 《科学イノベーション挑戦講座》第2回講座「生命を司る遺伝子に挑戦する」を開催しました。
本事業は、科学技術振興機構次世代科学者育成プログラムメニューB採択事業であり、中学生を対象とした、次世代を担う科学者を養成するものです。
今回は、松山市教育委員会?松山市中学校理科主任会おもしろ理科実行委員会と連携して実施しました。午前中は「おもしろ理科教室」として開催し、市内中学生48人が参加しました。午後からはそのうち理科を得意とする11人が「科学イノベーション挑戦講座」に参加しました。(参加中学校名:松山市立勝山中学校、東中学校、道後中学校、三津浜中学校、湯山中学校、久米中学校、城西中学校〈順不同〉)
今回は、午前、午後を通して、本学プロテオサイエンスセンター生体超分子研究部門の林秀則教授が遺伝子について講義を行いました。
午前中は「生命の設計図ってなんだろう?」というタイトルで、遺伝子はタンパク質の一種でタンパク質にはさまざまな種類があり、生物の中で使い分けられていることや、生物は一体どのようにしてタンパク質の使い分けをするのかなどについて学びました。
林教授から、私たちがタンパク質を食べると、消化によって20種類のアミノ酸に分解され、このアミノ酸を規則正しく並べることで、生物は自分自身に必要なタンパク質を作り出すとの話がありました。
また、これを人工的に再現したのが、本学の遠藤彌重太特別栄誉教授によるコムギ無細胞タンパク質合成法であるとの説明がありました。その後、栄養となるアミノ酸と遺伝子を転写するためのmRNAや、それらを使ってタンパク質を作るための翻訳装置などから、実際にオワンクラゲの蛍光タンパク質の合成を行いました。
さらに、遺伝子の役割について学ぶために、ブロッコリーを使って遺伝子の抽出実験を行いました。
午後からは、「生命を司る遺伝子に挑戦する」というタイトルで、細胞分裂の顕微鏡観察と効率良く遺伝子を抽出できる植物を探す実験を行いました。
遺伝子は細胞分裂の際に前期、中期、後期、終期と分裂していくため、この様子をタマネギの新芽を使って観察しました。さらに、午前中に遺伝子を抽出したブロッコリーよりも効率良く遺伝子を抽出できる植物を探し出すため、受講生たちは学年?学校を超えて話し合い協力し合って、いろいろな野菜から遺伝子を抽出しました。
回数を重ねる毎にみるみる技術が成長していく受講生たちに驚かされた1日となりました。
<教育学部>