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教育学部で《科学イノベーション挑戦講座》「人類の役に立つ薬の合成に挑戦する」を開催しました【10月19日(土)】

 平成25年10月19日(土)、教育学部2号館2階理科学生共同実験室3で,《科学イノベーション挑戦講座》第4回講座「人類の役に立つ薬の合成に挑戦する」を開講しました。

 本事業は、科学技術振興機構次世代科学者育成プログラムメニューB採択事業であり、中学生を対象とした、次世代を担う科学者を養成するものです。今回は、教育学部理科教育専修の大橋淳史准教授が、「人類の役に立つ薬の合成に挑戦する」という講義を行いました。 
 科学の発展が人類に与えた影響はたくさんありますが、薬の合成ほど人類のQOL(クオリティーオブライフ、生活の質)に大きな影響を与えたものはありません。人類の平均寿命が70歳代まで飛躍的に向上したのは、薬によって多くの命が救われるようになったからです。
 講義では、これらの薬のうち、もっともたくさん売られた鎮痛剤であるアスピリンの合成を行いました。アスピリンは、サリチル酸から簡単に合成でき、図1のような化学式で表したとしても、サリチル酸の水酸基をアセチル基で保護するだけになります。

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図1.サリチル酸からアセチルサリチル酸の合成

 次に、目に見えない分子の構造は本当にこのように変化しているのか、科学者が分子構造から分子の性質を予言できるのなぜか、といった問題をふまえ、分子の構造について理解を深めるために、分子模型を用いて、図2のようにそっくりなベンゼンとシクロヘキサンの違いを体感しました。
 また、分子模型を用いて、ペットボトルの原料であるポリエチレンテレフタレートを製作し、分子構造と性質について考えました。

 図2.シクロヘキサンとベンゼン

図2.シクロヘキサンとベンゼン

 受講生は、目に見えない分子構造を「想像の力」で補うことができたとき、この世界がまったく違って見えることを、分子模型の制作や合成を通して感じ取ることができました。

 次回の科学イノベーション挑戦講座は、11月9日(土)?10日(日)に東京で開催される「全国受講生研究発表会」に参加する形で開催されます。なお、受講生5人が「環境と生命の関連性に挑戦する」、「DNAの抽出に挑戦する」という2件のポスター発表を行います。
 それ以後は、12月14日、1月5日、1月11日の予定です。

科学イノベーション挑戦講座のサイトができましたので、是非ご覧ください。

<教育学部>