平成25年11月27日(水)、南加記念ホールで、国際シンポジウム「大学教育の質保証と大学教員のプロフェッショナル?ディベロップメント」を開催し、学内外の教職員、学生など164人が参加しました。
本シンポジウムは、大学教育の質保証のために、PD:Professional Development(専門能力開発)という視点から大学教員の能力開発の在り方について議論をすることを目的として開催したものです。
シンポジウムは、柳澤康信学長の挨拶で幕が開け、始めに、元国際高等教育開発連盟会長のシェルダ?デボウスキー教授から、「諸外国におけるPDの現状と課題」と題した講演がありました。デボウスキー教授は、大学教員の一般的キャリア、必要となる能力を示した上で、FDの役割を?大学教員1人だけでは困難な成長に対する支援である?と説明しました。さらに、昨今の大学教員の日常業務は多岐に亘っているがゆえに、学内外の教員と積極的に交わる「エンゲージメント」が重要であると説きました。
一方で、FDの歴史はまだ浅く、明確な成果指標が無いので評価されにくいことが課題であるが、多くを求めず地道な活動を積むことが重要で、例えば外部からのレビューを指標とすることで成果を実感していくことも有効であると説明しました。
次に、文部科学省高等教育局大学設置室の今泉柔剛室長から「我が国におけるFDの現状と課題」と題した講演がありました。今泉室長は、我が国の高等教育を取り巻く状況を説明した後、大学規模の大小がある中で、中小規模大学におけるFDの効果的推進の方法として、大学間連携をキーワードに説明を行いました。
そして、立命館大学の沖裕貴教授から「立命館大学における大学教員準備プログラムと新任教員対象実践的FDプログラムの現状と課題」と題した講演がありました。沖教授は、プログラムの実践状況を報告した後、プログラム修了者の教育研究機関への就職状況を具体的成果として挙げる一方で、プログラム修了率の改善を今後の課題として挙げました。
続いて、東京大学の栗田佳代子特任准教授から「始動した東京大学フューチャーファカルティプログラム:意義と展望」と題した講演がありました。栗田特任准教授は、プログラムの組織的?着実な実践状況を報告し、大学院生の満足度を成果として挙げるとともに、MOOC(大規模公開オンライン講座)を利用したプログラムの充実等を今後の展望に挙げました。
また、本学の小林直人教授から「足球即时比分_365体育直播¥球探网におけるテニュア?トラック制度の現状と課題」と題した講演がありました。小林教授は、制度導入の背景及び概要を報告し、研修プログラムの円滑な実施と質保証等を今後の課題として挙げました。
最後に、「大学教育の質保証のための大学教員のPDとは?」と題した総合討論では、大阪大学の佐藤浩章准教授がコーディネーターとなり、白熱した議論が展開されました。総合討論は「プログラムの認証」「大学連携」「スモールステップからの指導」等をキーワードとし、今後のPDの拡充に向けた、示唆に富んだ議論が展開され、デボウスキー教授の次の発言によりシンポジウムは盛況のうちに幕を閉じました。
「学部長を対象としたリーダーシップセミナーを開催した時のことである。セミナーには様々な大学から260人が参加した中で、機関ごとの多様な問題を共有することを試みた。その結果明らかになったことは、それぞれの機関でみな同じ問題を抱えているということであった。つまり、問題解決のためには自分が動かなければ何も変わらないということである。事は起こさなければならない。変えるのはあなた方自身である。」
<総務部>