お知らせ

教育学研究科と教育学部の学生グループが道後聖母幼稚園で藍の抜き染めを行いました【11月22日(金)】

 平成25年11月22日(金)、愛大GP「伝統の継承プログラムを通したグローカルマインドの育成」事業として、教育学研究科2年の段王里菜さんをリーダーとする学生グループ8人が、道後聖母幼稚園で藍染めと抜き染めを使った伝統への興味?関心を高める実践を行いました。

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藍染めハンカチの事前準備中です

 本事業は、本学が支援する教育改革促進事業(足球即时比分_365体育直播¥球探网GP)で、今年度採択されたものです。忘れられようとしている地域の伝統を復権する作業を通して、自らの来歴を知り、伝統に立脚した人格を育成して、世界に通じるグローカルマインドを持つ人材を育成することを目的としています。
 愛媛県の伝統の織物に「伊予絣」があります。伊予絣は、藍染めを用いた織物で、明治36年には絣の全国生産量1位になり、愛媛県は伊予絣を通じて全国に知られていました。しかし現在、愛媛県を含む四国で藍染めは衰退しており、藍染めを知らない子どもたちが増えています。
 そこで、本事業では、伝統の継承プログラムを通じて、地域の一員として自覚と誇りを持って行動し、目的達成のために多様な人と協働する、グローカルマインドをもった次世代を担うリーダーとなる人材を育成することを計画しました。
 本実施は、教育学研究科2年の段王里菜さんを中心に、4年生の倉橋広樹さん、後藤歩未さん、和田敬行さん、3年生の黒下苗子さん、橋崎友衣子さん、余越莉絵さん、前田莉菜さんの8人の学生による活動です。
 今回の実施では、学生たちが以下の3点を考慮し合った結果、実施に先立ち、木綿のハンカチの藍染めと抜き染め用の切り絵(動物やキャラクター模様)を用意しておき、園児に切り絵を選んでもらって、抜き染めを体験してもらうことにしました。

 話し合いのポイントは以下のとおりです。
(1)藍染めは、水に溶けない藍を還元剤を用いて水に溶かします。このとき、藍を水に溶かすためには水溶液を強アルカリ性にする必要があり、強アルカリ性水溶液はタンパク質や繊維を溶かすので、使用の際には皮膚や顔、衣服にかからないように細心の注意が必要となります。
(2)抜き染め用の切り絵を作るためには、はさみやカッターを用いて紙を切り取る必要があり、使い慣れていない園児がいた場合、怪我の心配があります。
(3)今回は大人数での実施であり、時間も90分に限られていますので、すべてを行うことはできません。 

 当日は、道後聖母幼稚園の年長組52人が参加しました。事前に藍染めした45センチ四方の布を配り、園児に思い思いの切り絵を選んでもらいました。「大人になっても使いたいから、お洒落な柄で」という子もいれば、「どうしてもあのキャラクターがいいから、(その切り絵が使えるまで)待つ」という子もいました。抜き染めが終わると、園児は思った柄が抜き染めされていることにとても驚き、楽しそうにしていました。
 抜き染めは昨年に続いて2度目の実施となり、園からも大変好評で、ぜひ来年も実施して欲しいとご要望をいただきました。

 

 本事業を通じて、学生は園の先生方と協働し、園児の地域への愛着を養成することで、地域の一員として自覚と誇りを得て、グローバルな世界におけるローカリティについて思索を巡らせる機会を得ました。

 なお、この活動は、愛媛新聞社の取材を受け、平成25年11月25日付けの朝刊に記事が掲載されました。

<教育学部>