平成26年9月25日(木)、総合情報メディアセンターメディアホールで、安全衛生講演会を行いました。
この講演会は、10月1日(水)?7日(火)の全国労働衛生週間に先立ち、学生及び教職員の安全衛生に対する意識向上を目的に、安全衛生全学委員会、工学部安全衛生学生委員研修会及び農学部環境安全学生リーダー研修会により共同開催したものです。テレビ会議システムを利用して、メディアホールと農学部多目的ホールを双方向で同時中継し、両会場合わせて学生教職員を含む102人が参加しました。
始めに、全学総括安全衛生管理者の曲田清維副学長から、「労働安全衛生については、様々な法令により守らなければならないことがあり、自分の身を守ると同時に、周りの人達も守らなければならない。学生の皆さんが安全衛生マインドを身につけ、社会に出た際に労働災害に遭うことのないよう今日のお話をもとに、今後の活動に向けて取り組んで欲しい。」と、開会の挨拶がありました。
続いて、愛媛労働局健康安全課の中本英樹産業安全専門官が、労働行政の立場から、「労働安全衛生について」と題して、講演を行いました。
まず、「職場における有害性?危険性等による労働災害を防ぐために、事業主トップの安全衛生に対する考えが重要であり、労働安全衛生法を守り、働く人の健康を確保することが大切である。」と述べました。次に、愛媛県内の労働災害の発生状況に触れ、「重大な事故が発生した場合、その企業は、法令違反や社会的責任も問われること、さらに第12次労働災害防止計画が策定された背景について、誰もが安心して健康に働くことができる社会を実現するために策定されたものである。」と説明がありました。この計画は、平成25年度から平成29年度の5年間に、労働災害による死傷者数の15%以上減少(平成24年度比)を目指して国が定めたものです。最後に、最新の労働安全衛生法の改正に関して施行スケジュール等の説明がありました。
そして、東京大学大学院新領域創成科学研究科の伊藤通子特任研究員が、高等教育機関の教員の立場から、「研究室でのリスクアセスメント」と題して、講演を行いました。
まず、高等教育で学生が身につける力とは何か、安全な社会を自ら創り出す能力を学生に身につけてもらうためにはどうすればいいのか、について具体的な事例に基づき説明がありました。また、学生のみならず、働く職員に対する安全な職場とはどういったものか、実際の事故事例に基づき検討された再発防止への取組み等に関する説明の後、実験のルール作りについて参加者によるワークショップを行いました。
最後に、自分の思考の方法やプロセスを知り、そのプロセスを観察し調整できる力、自分で自分を評価できる力を「メタ認知力」と表現し、「これが身につくことで社会に出てからも事故を起こさないスキルを持つ人材となる。まずは、自分達の研究室のリスクアセスメントに取り組んで欲しい。」と締めくくりました。 最後に、司会進行を務めた工学部の田中寿郎教授から2人の講師に向けてお礼の挨拶があり、2つの会場から感謝の気持ちを込めて拍手を送りました。出席者からは、「危険予知のセンスについて話を聞くことができ、安全衛生について知識が深まった」、「学生だけでなく、先生方も交えて過去の事例を取り上げながら、危険について改めて考え、予知する能力をつける場を設けたい。」等の感想があり、貴重な機会となりました。
<施設基盤部>