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教育学部実施《科学イノベーション挑戦講座》の受講生が第64回日本理科教育学会全国大会でポスター発表を行いました【8月24日(日)】

 平成26年8月24日(日)、本学で開催された第64回日本理科教育学会全国大会で、教育学部が実施している《科学イノベーション挑戦講座》の受講生7人がポスター発表を行いました。

 科学イノベーション挑戦講座は、科学技術振興機構次世代科学者育成プログラムメニューB採択事業として、昨年度から実施されています。本年度は、昨年度から参加している7人の初年度受講生に加え、新たに13人の受講生を迎え、総勢20人の受講生(男子11人、女子9人;1年生6人[男子4人、女子2人]、2年生9人[男子4人、女子5人]、3年生5人[男子3人、女子2人])が先進的な科学研究に取り組んでいます。 
 このたび、第64回日本理科教育学会全国大会で、昨年度の受講生、石川裕太さん、河本優奈さん、黒星きららさん、清水龍星さん、白方颯人さん、武市昂己さん、深見正徳さんの7人が、昨年度の研究成果を中高生ポスター発表で発表しました。
 発表題目は、「『科学イノベーション挑戦講座』の研究成果I 愛媛県産かんきつ類のビタミンC量の定量」、「『科学イノベーション挑戦講座』の研究成果II 松山市内の二酸化窒素濃度の測定」の2つで、発表内容は下記のとおりです。

●研究成果I 愛媛県産かんきつ類のビタミンC量の定量
 うがい薬とビタミンCの酸化還元反応を利用して、愛媛県産かんきつ類のビタミンC量を調べた科学研究です。質量差を利用した酸化還元滴定を用いることで、簡単に中学校でも行うことができるように実験を改良し、酸っぱくて食べられない温州みかんが、通常の温州みかんの21倍ものビタミンCを含有していることを明らかにしました。

●研究成果II 松山市内の二酸化窒素濃度の測定
 ザルツマン試薬を用いる吸光光度法により、松山市内の二酸化窒素濃度を測定した研究です。松山市内の二酸化窒素濃度は大気測定局により自動的に測定されています。しかし、測定局の設置には環境省が決めた基準があり、この基準を満たす場所は「開けていて」、「風通しの良い」場所が選ばれています。最初に、この基準を満たしている中学校で測定を行ったところ、測定局と同様の値を得ることができました。しかし、私たちの住んでいる場所は、必ずしも測定局のように環境の良い場所ではありません。そこで、受講生の自宅で同様の測定を行ったところ、11計測地点のうち10地点で測定局よりも高い値を記録しました。また、石油ファンヒーターを室内で用いると、大気環境基準を遙かに上回る二酸化窒素濃度になることも明らかになりました。

 

 2つのポスターには多くの先生方が訪れ、受講生と活発なディスカッションを繰り広げました。受講生たちは、多くの示唆を得て、科学研究への熱意を新たにしたようです。

科学イノベーション挑戦講座のサイトができました。

 なお、日本理科教育学会は、日本全国の理科教育に携わる学校教員、大学教員、関係官庁職員、動物園職員、博物館職員などで構成される学会です。本会では、日本の理科教育について、教材研究、教育評価など多面的に研究しています。昭和27年に発足した本会は毎年1回、全国から学会員が集まる全国大会を開催し、本年が第64回に当たります。そして、第64回日本理科教育学会全国大会が初めて本県で開催される運びとなりました。全国より800人を超える参加者が集まり、8月23日(土)?24日(日)の2日間に渡って活発な議論が繰り返されました。

<教育学部>