平成26年6月14日(土)、教育学部2号館2階理科学生共同実験室2で、おもしろ理科教室第1回目「身近なものを科学しよう!」(化学実験)を開講しました。
今回の「おもしろ理科教室」は、科学イノベーション挑戦講座プレチャレンジと同時開講で実施しました。科学イノベーション挑戦講座は、科学技術振興機構次世代科学者育成プログラムメニューB採択事業として、昨年度から実施されています。次世代科学者育成プログラムメニューBは、全国で5件しか採択されない希少な事業で、本事業は昨年度の実績により2年目の継続が行われることとなり、「おもしろ理科教室」と協働して事業を実施しています。
「おもしろ理科教室」は、松山市教育委員会、松山市中学校理科主任会おもしろ理科実行委員会が主催する、松山市内の理科好きな中学生を対象とした理科体験プログラムです。また、中学生に理科の観察?実験や理科工作、新しい科学技術に触れる体験等を通して夢を広げ、科学技術に対する興味?関心を高めるとともに、理科に関する基礎的な知識?理解?技能の定着を図ります。併せて、学校の枠を超えた中学生間の親睦や理科教員の指導力向上を図ることを目的としています。
当日は、「身近なものを科学しよう!」という題材で、UVチェックビーズの色の変化はなぜ起こるのか、この色の変化を制御するにはどうすればよいかを考えながら実験を行いました。
まず、UVチェックビーズを蛍光灯にかざしてみて、色が変化しないことを確認し、次に、UVチェックビーズにブラックライト(わずかに眼で見える長波長の紫外線を放射するライト)を当てると色が変わることを確認しました。そこで、この二つの光の何が異なるのかを考え、UVという言葉から紫外線について調べました。
そして、色のついたUVチェックビーズにブラックライトを当てたときの色が変わってから元に戻るまでの時間や、白色のUVチェックビーズにブラックライトを当てたときの色が変わるまでの時間を測定しました。これらの結果から考察して、UVチェックビーズの色の変化には、光反応と熱反応の2つの化学反応が関わっており、色を変えるためには様々な要因があることを学びました。
中でも、色のついたUVチェックビーズに光を当てると、速く色が戻るという発見は非常に興味深いものでした。また、色の変化と光源からの距離の関係について詳細な実験研究をする班もあり、中学生たちのオリジナリティの高さが認められました。
UVチェックビーズは簡単に購入できる玩具の1つですが、この色の変化を「なぜ起こるのか」「どうすれば制御できるのか」と考えると、様々な探究的活動ができます。このように、科学は私たちにとっても身近な存在でありながら、普段は身近すぎて意識することはありません。しかし、一度「なぜそうなるんだろう」と考えたとき、私たちの目の前には広大な科学研究の地平が広がるのです。
●科学イノベーション挑戦講座のサイトはこちらをご覧ください。
<教育学部>