? 科学イノベーション挑戦講座は、国立研究開発法人科学技術振興機構の次世代科学者育成プログラム事業として4年目の実施になります。
今回、大分県のホルトホール大分で開催された日本科学教育学会第40回年会のジュニア?サイエンス?リサーチ?ミーティングに、藤川皓生さん(本学附属中学校3年生)、中西優奈さん(久米中学校2年生)の2人が参加しました。昨年度、科学イノベーション挑戦講座で、他の中学生たちと一緒に進めてきた「デンプンの加水分解反応を利用したおいしい甘酒と水あめづくり」のポスター発表をしました。
デンプンの加水分解反応は、小中学校ではだ液を使って行います。しかし、デンプンを加水分解するのは、だ液だけではありません。デンプンの加水分解は、食品をつくる方法としても使用されており、日本では味噌?しょう油?清酒などがデンプンの加水分解で作られています。これらの食品を作りだすときに使うのは、麹菌と呼ばれる菌です。麹菌は、だ液と同じようにデンプンを加水分解する消化酵素、アミラーゼを持っています。
そこで、私たちはデンプンの加水分解とその産業的な利用について研究するため、麹菌から取り出したアミラーゼなどの消化酵素を使って、おいしい甘酒と水あめづくりの研究を行うことを計画しました。この中で用いるデンプンにふくまれる食物繊維の量が、水あめの粘り気に影響すること、甘酒をつかったイチゴ甘酒ゼリーとみかん甘酒ゼリーがもっともおいしい評価を受けたことを発表しました。おいしさは個人の好き嫌いがありますが、たくさんの人に食べてもらいおいしさを統計的に考えることで、誰にでもおいしい商品の開発をしています。イチゴ甘酒ゼリーとみかん甘酒ゼリーは、すべての評価者がほぼ最高点をつけるとてもおいしい商品に仕上がりました。
本内容が審査委員による審査の結果、中学生の部で最優秀賞を受賞しました。藤川さん、中西さんは、今年度それぞれ別の研究テーマを熱心に進めていますので、今後の活躍にご期待ください。?