お知らせ

大学院理工学研究科の御崎洋二教授らの論文がJournal of Materials Chemistry A誌のBack cover(2巻19号/平成26年5月発行)に選出されました

この学術雑誌は、英国化学会が刊行する材料化学専門誌であり、主にエネルギー?環境問題を解決する材料を題材として扱っております。受理された投稿論文の中から、編集委員会が特に内容の秀逸な論文内容を表紙(Front cover, Back cover, Inside front cover, Inside back cover)として紹介しており、2014年19号には御崎教授らの論文が約50編の論文の中からBack coverとして選出されました。
 今回選出された論文は、有機材料を使った蓄電池(バッテリー)の高性能化に向けた新物質開発について公表したものです。
 人類が抱えている環境問題?エネルギー問題を解決するための次世代蓄電池の電極材料として、資源が豊富で環境にやさしい有機材料が注目されています。御崎教授らは、自ら開発したオリジナル分子群の構造に改良を加えることで従来の分子性物質と比べ充放電の繰り返し特性を向上させると共に、1分子あたり10個の電子を使って充放電させることで放電時に取り出せるエネルギー密度を飛躍的に向上させることに成功しました。これらの物質群のエネルギー密度は、これまでに研究開発されたリチウムイオンバッテリーの電極材料の中でもトップクラスであり、将来的に有機分子を電極に使った蓄電池へ応用する上で重要な開発指針を与えるものです。

論文名:A Pentakis-fused Tetrathiafulvalene System Extended by Cyclohexene-1,4-diylidenes: A New Positive Electrode Material for Rechargeable Batteries Utilizing Ten-electrons Redox
Minami Kato, Ken-ichiro Senoo, Masaru Yao, Yohji Misaki
Journal of Materials Chemistry A, 2(19), 6747-6754 (2014).

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