お知らせ

大学院理工学研究科の皆川鉄雄教授らの研究グループがレアアースを主成分に持つ二種類の新鉱物を発見しました【2月3日(月)】

?山口大学大学院理工学研究科の永嶌真理子准教授、東京大学物性研究所の浜根大輔技術職員、本学大学院理工学研究科の皆川鉄雄教授と博士前期課程2年の冨田宣光さん、鉱物研究家の稲葉幸郎氏らのグループが共同で、レアアースのランタンを主成分に持つ二種類の新鉱物を三重県伊勢市矢持町の山中から発見し、国際鉱物学連合の新鉱物?命名?分類委員会により新種として平成26年2月3日に承認されました。発見された新鉱物は「ランタンフェリ赤坂石 / Ferriakasakaite-(La)」と「ランタンフェリアンドロス石 / Ferriandrosite-(La)」で、前者は著名な鉱物学者である赤坂正秀(島根大学教授)にちなみ命名されました。いずれも複雑な化学組成を持つことで知られている緑簾石グループに属します。

 今回の調査対象となった三重県伊勢市矢持町の山中は秩父帯に属する地質で、小規模な鉄マンガン鉱床が存在しています。平成25年に今回の研究グループ等によって発見された「ランタンバナジウム褐簾石/ Vanadoallanite-(La)」、濱根技術職員らによって発見された「伊勢鉱 / Iseite」に続き、この鉄マンガン鉱床から見出された新鉱物は、今回の発見で計4種となりました。いずれもこれまで他地域からの報告はなく、現在のところ伊勢市矢持町の鉄マンガン鉱床がこれらの鉱物の世界唯一の産地であるといえます。次世代の資源供給源として注目されている海洋底の泥、その数億年後の姿に相当するものがこの鉄マンガン鉱床であり、発見してきた新鉱物は過去と未来をつなぐ情報を持っているはずです。今後は生成条件などの詳細を明らかにしていきたいと考えています。<理学部>

 なお、この研究成果は、平成26年4月2日(水)に山口大学からプレスリリースされました。

※研究内容の詳細は、以下の「山口大学からのプレスリリース資料」をご参照ください。

山口大学からのプレスリリース資料(PDFファイル 520KB)