平成27年1月22日(木)、医学部創立40周年記念講堂で、重信地区人権侵害防止講演会を開催し、これまでで最多となる171人の教職員が参加しました。この講演会は、医学部?附属病院を擁する重信地区で、人権侵害防止のために平成24年度から毎年行っているものです。
3回目の開催となる今回は、国立大学法人等で人事労務問題のコンサルティング業務に携わっている株式会社フォーブレーン代表取締役の稲好智子(いなよし ともこ)氏を講師にお招きし、「医療従事者に求められるコミュニケーション?ハラスメントにならないための指導や伝え方?」と題した講演を行いました。
稲好講師からは、最近のハラスメント問題の特徴やその影響について説明があった後、ハラスメントとして事例の多いセクシャル?ハラスメントとパワー?ハラスメントについて、大学で起こった事例をもとに話がありました。
講演の中で、セクハラおよびパワハラの判断ポイントについて、下記のような点に十分に気をつける必要があるとの話がありました。
【セクハラの判断ポイント】
?(地位を利用した性的な言動により)相手を不快にさせているかどうか
?不快であるか否かには個人差があるため、思い込みや勝手な憶測で行動することが危険
【パワハラの判断ポイント】
?(職場内の優位性を背景に)業務の適正な範囲を超えた行為かどうか
?上司として、部下の業務に関して具体的な関連性を持った指導であると言えるかどうか
?部下のために役に立つ情報の提供が客観的に存在するかどうか
?部下の弱点を補うためという目的を具体的に持っているかどうか
さらに、部下から上司への逆パワハラの事例も増えており、誰もが意図せず加害者にもなり、被害者にもなり得るということや、ハラスメントか否かの明確な境界線はなく、いかに普段から周りの人たちと良好な関係を築いておくかが重要であると述べました。
今年は、医療に従事する教職員から多数の参加があり、講演終了後の会場では、「日頃から態度やしぐさなども気をつけなければならない」「自分が気づかないうちに、相手が不快になる行動を起こしていないか注意が必要だ」といった意見が参加者の間で交わされ、ハラスメント問題や日頃の自己点検とコミュニケーションの在り方などを見直す良い機会となりました。