お知らせ

第2回女性研究者エンパワーメント講座を開催しました【2月17日(火)】
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会場の様子

 平成27年2月17日(火)、校友会館2階サロンで、第2回女性研究者エンパワーメント講座「大学での女性リーダーを考える」を開催しました。昨年10月末、文部科学省の平成26年度女性研究者研究活動支援事業(連携型)に四国5大学連携による女性研究者活躍推進コンソーシアム形成事業(平成26年度?平成28年度)が採択され、足球即时比分_365体育直播¥球探网、香川大学、徳島大学、高知大学、鳴門教育大学は、女性研究者の研究力向上、女性研究者数の増加や上位職への登用などに向けて取り組んでいます。
 本学では、女性研究者のリーダーシップ養成と研究力向上、そして女性研究者が元気に研究活動を継続していくために、女性研究者エンパワーメント講座を3回のシリーズで予定しており、今回はその第2回目となります。
 最初に、女性未来育成センターの郡司島宏美准教授から、四国国立5大学連携事業の概要説明がありました。そして、今回は、神戸大学学長補佐(男女共同参画担当)で前大学院人間発達環境学研究科長?発達科学部長の朴木佳緒留教授、帝塚山大学経済学部長の熊谷礼子教授のお二人を講師にお迎えし、本学法文学部教授で評議員でもある土屋由香教授がコーディネーターを務め、「大学での女性リーダーを考える」をテーマに進められました。

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講演する朴木学長補佐

 まず、朴木教授から、大学の女性研究者の現状について説明がありました。平成15年からの10年間で全国の女性研究者比率は、4%ほどしか増えていないこと、大学教員における分野別女性割合では、理学、工学、農学の分野で圧倒的にリーダーが少ないこと、初等中等教育から高等教育における女性教員の割合については、学年が上がるにつれて女性教員が少なくなり、女性校長も少ないため、「女性はリーダーになってもいいが、ならないのが普通だ」ということを十数年間で子供たちが学んでしまうことが問題である等の話がありました。そこで、ご自身は、大学の卒業式で、檀上の最前列で袴を着て、女性のリーダーの姿を目立たせているとの話があり、とても印象的でした。
 続いて、神戸大学の男女共同参画事業について、立ち上げ当初の男女共同参画推進室の体制づくり、女性教員採用比率向上のための目標と措置、システム改革加速プログラム実施による女性の採用増加、それによる博士後期課程の女子学生比率の増加などの紹介と、現状の「見える化」、「女性の活躍」の「見える化」の大切さ等、貴重な実務のご経験をお話しいただきました。

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講演する熊谷学部長

 次に、熊谷教授が、アベノミクスの成長戦略の柱に謳われている「女性の活躍」に触れ、「様々な状況に置かれた女性が、自らの希望を実現して輝くことにより、我が国最大の潜在力である『女性の力』が十分に発揮され、我が国社会の活性化につなげるため、すべての女性が輝く社会づくり」の紹介がありました。この「様々な状況に置かれた女性」にとって、多様な中でキャリアを考えることは重要で、ワークライフバランスという家庭の状況も個々人のシビアな選択であるとのお話がありました。
 続いて、帝塚山大学の女性教職員の割合について、今年度4月から、6学部のうち2学部が女性の学部長である等の説明がありました。また、ご自身が経済学部長として、大学運営上?学部運営上、女性であることを意識して身構えず、教育機関に女性リーダーがいることが学生の価値観を変える力となっているとのお話がありました。そして、リーダーとしてのやりやすさは、組織の風土であり、醸成されていくものであると述べられました。

 その後の交流座談会では、会場の出席者から「女性が組織のリーダーになるモチベーションは何か」「リーダーに就いた女性は、後に続く女性を増やすために何をすればよいか」等、様々な質問がありました。講師からは、「ロールモデルになっているというのが、意識の中にある。責任を果たすということと、モチベーションはリーダーになってから作られていくもので、これに男女差はないと思う。また、リーダーシップの育成については、ポジションを得るということによってリーダーシップは作られるものであり、リーダーシップ養成講座だけで身につくものではない。ポジションがあることが非常に重要で、地位が能力をつくるということである。そして、女性教員には、『若い世代を育てるときに、男性ばかりの管理職の風景を見せるのは良くないので、管理職になるチャンスがあれば断らないでほしい』とずっと励ましの言葉をかけている。」等、現実に即したそれぞれの立場での貴重なお話がありました。
 最後に、土屋教授からお礼の言葉があり、会場は大きな拍手に包まれ閉会しました。
 なお、第3回女性研究者エンパワーメント講座は、来年度の開催予定です。多数の皆様のご来場をお待ちしております。