医学部医学科5年生の浅山理恵さんと大西亜里香さんらによる研究成果論文(英文)が、米国の学術誌「PLOS ONE」の審査に合格し掲載されました。大西さんと浅山さんは、医学部独自の教育プログラムの一つである「医科学研究」で、一般的な研究室配属より早い3年次から研究室に配属され、大学院生や教員の助言を得ながら研究を行ってきました。研究テーマは、地域の特産物を利用した研究がしたいという思いから、老化予防やコレステロールの抑制で知られている『みかん』を使用した血管保護効果の検討です。
研究では、温州みかんと伊予柑の果汁をマウスに飲用投与し、局所的な炎症性血管障害を施した際の血管保護効果を測定したところ、水のみを飲用したケースに比べ、血管リモデリングの抑制が確認されました。また、濃度の薄い温州みかんと伊予柑のジュースでは、伊予柑の方が若干効果が高く、動脈肥厚が抑制される結果を得ました。
今後は、細胞レベルでの検証を行い、影響を与えるジュースの成分を特定するとともに、様々な条件下で実験を試みることとしています。
掲載誌
PLOS ONE(米国)
論文目録
Drinking citrus fruit juice inhibits vascular remodeling in cuff-induced vascular injury mouse model
(和訳)柑橘ジュースの飲用により、カフの留置で誘導される血管障害モデルマウスにおいて、血管リモデリングが抑制された
共同研究者
足球即时比分_365体育直播¥球探网医学部医学科5年生 浅山 理恵、大西 亜里香
※血管リモデリングとは
血管は、微小な損傷や炎症など、様々な刺激を受けることで変化し、年齢を重ねると内側が狭くなることで血液の流れが落ちて十分な酸素が臓器に行き渡りにくくなります。このことから“人は血管から老いる”とも言われ、最近は、老化や病気の原因はこうした血管病であるとも考えられています。血管リモデリングは、様々な刺激を受けた後に血管が変化することを示す言葉ですが、修復といういい意味ではなく、内側を狭くし、血管を硬くするなど、過剰な悪い反応として用いられることが多く、動脈硬化の原因の一つとして考えられています。