平成27年2月4日(水)、愛媛県医師会館で、医学部附属病院が主催で「エイズ診療ネットワーク会議」を開催しました。
この会議は、平成19年4月に、本院が愛媛県のエイズ診療中核拠点病院に指定されたことを受け、県内のエイズ診療体制の充実を図り、エイズ診療病院の医療従事者及び関係者がエイズ診療に関する情報を交換し合うことを目的に開催しているものです。当日は、県内のエイズ診療に携わる医師や保健師、医療ソーシャルワーカーや薬剤師など、約30人が参加しました。
始めに、愛媛県保健福祉部健康衛生局健康増進課長の竹内豊氏から開会の挨拶が行われ、続いて、愛媛県衛生環境研究所衛生研究課疫学情報科長の大塚有加氏から「HIV/AIDSの届出状況等の報告」がありました。大塚氏は、愛媛県におけるHIV感染者、AIDS患者の特徴の他、予防や発症前の早期発見の重要性を説明しました。
また、本学医学部附属病院の中村真理子看護師が、第28回日本エイズ学会の参加報告として、当院の喫煙患者と禁煙指導の現況に関する話があり、喫煙者でも禁煙に関心のある人が多く、積極的に禁煙指導を行っていきたいと述べました。引き続き、当院総合臨床研修センター長の高田清式教授から、 HIV診療の現況について、時事を交えながらの話がありました。高田教授は、今後は高齢者のHIV感染者の更なる増加が予想され、その対策として、行政機関や保健所との連携を図りつつ、高齢者施設での研修会を開くなど、正しい知識を幅広い層に広めていく必要があると述べました。
最後に、愛媛県立中央病院呼吸器内科主任部長の中西徳彦氏から、所属機関におけるHIV診療の現況について報告があり、これまでに経験した症例発表に加え、特殊事例の経験を得て今後の診療につなげていきたいとの話がありました。報告後には、参加者から質問が多く寄せられ、盛んな質疑応答が行われました。
医学部附属病院では、今回の会議で報告及び情報交換された内容を、各機関で共有し、愛媛県のHIV診療体制の更なる充実を図ることとしています。