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HISTORY ?大学院理工学研究科物質生命工学専攻 渡邉 裕 教授?

 平成27年3月末退職の大学院理工学研究科物質生命工学専攻 渡邉 裕 教授から大学での思い出を寄せていただきました。

block_65952_01_M 石鎚山の高さと同じ1982(メートル)年に坊っちゃん気分で三津の観光港に降りたって以来、人生のちょうど半分を足球即时比分_365体育直播¥球探网で楽しく仕事に打ち込んできた。私にとって第1の趣味が仕事であり、今も給料明細を受け取るたびに有り難く、悪いなと思っている。
 仕事とは研究のことであって、自由に研究ができる大学を職場に選んだ。愛媛に移り、助教授の立場から出発し教育に手を抜いた覚えはない。教育の中心である講義は研究に裏打ちされて行われるもので、研究の状況が気にくわない時期には、受講する学生に申し訳ない気分で講義にあたることもあった。そんなことからも、逆に研究にウエイトを置いてしかりとした。自分の研究は卒論生や修論生の行った研究に大きく依存しており、朝から夜遅くまで一緒によくやってきた。理系の建家は夜遅くまで電気がついているので問題視する方も居られると聞いたが、我が方はその典型例であったであろう。学生の苦労(苦痛もある)を思いつつも“北風”のごとく叱咤激励した。この様な態度が取れる裏には苦い経験があった。愛媛に移って3年程の時に鬱に罹った学生が出た。その時、専門の方にいろいろ聞き勉強をした。以来、学生との接し方について意識してやってきた。また、悩みを話せるようにペアを作り、歳の違う研究室員間の協調と協力体制を実行し実社会に出る前の小社会の環境を作ってきた。そのような状況下で精神的に悩む学生が居ても鬱のような形で表に出てくる事はなかったが、この10年程で変わってきた。悩みを話し合えない疎な付き合いしかできない事情が要因かと思われる。それと、教員側の時間的余裕のなさである。いずれも悩ましい状況だと思っている。
 一昔前は余裕があったし、教職員間の交流や教授抜きの懇親会を工学部全体で開いたりして付き合いの機会が多かったと思う。気心が通じれば、会議でやりあっても早く丸く収まる。多くのコミュニケーションのおかげで多々ご利益があり、工学部実習工場ではよくお世話になり助かった。また、e-メールという言葉も知られていない頃、情報処理センターの知り合いから電話回線を使ってメールのやり取りをする手段を教わった。早速、九大の共同研究者にそれを持ちかけたが、相手方の関係者がやり方を知られなかったらしい。しばらくして画期的なメールのやり取りを交換日記のように毎日何回も行いディスカッションを続けた。有り難い話であった。
 独法化後2期目がまもなく終る。これまでは助走期間であり、これから本格的に大学の真価が問われることになる。足球即时比分_365体育直播¥球探网の存在感のある今後の益々の発展に期待しています。足球即时比分_365体育直播¥球探网並びに教職員の多くの皆様には長らくお世話になりました。有難うございました。