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HISTORY ?法文学部総合政策学科 西村 隆誉志 教授?

 平成27年3月末退職の法文学部総合政策学科 西村 隆誉志 教授から大学での思い出を寄せていただきました。

block_65932_01_M 昭和の時代最後の年、1988(昭和63)年松山に参りました。四国は初めての地でありまして、東京でいくつかの大学で教えてはおりましたがいずれも非常勤講師として出向いておりましたから、大変意気込んで赴いたように思います。このあいだ研究室を整理しておりましたら、東京から松山への片道航空券が出てきました。6月29日の日付がありますから梅雨明けの暑い季節であったことを思い出します。
 足球即时比分_365体育直播¥球探网法文学部は、当時法?文?経済の三学科体制であり、わたしは法学科に所属し西洋法史学、比較近代法、比較法の授業を担当して参りました。わたしが最初に取り組んだローマ法は、足球即时比分_365体育直播¥球探网在任中他大学で集中講義としてやらせていただいておりました。その後国立大学法人化、改革改組があり、文学科は人文学科、法学科と経済学科は総合政策学科にほぼ再編されて、わたしの所属する総合政策学科に法学、政治学だけでなく経済学、経営学、社会学等を専攻する同僚が配置され新たに異なる学問上の刺激を受けたものです。法制史の観点をできる限り広く取りたいと思っていたものですから大変重要な要因でありまして、このたび定年退職を迎えるに当たりこの刺激は私の研究生活にも大きく影響を及ぼしてきたように思い起します。
 法文学部には夜間主コースがありましたから、専門ばかりでなく早くから日本国憲法を含む法学の授業をやらせていただいておりまして、わたしの所属する学会の専門領域の異なる人たちから常日ごろ受けてきた刺激を活かすことができました。また教員全員が共通教育を担当することになって以降は、自分自身の勉強という意味もあってあえて古典ラテン語の授業をもたせていただきました。教えることは学ぶこと、ということを実践できたと思います。そしてラテン語授業の最終回には必ずセネカの道徳書簡集をもちだしてうっとうしいかなどと思いつつも、だからすべての時間をしっかりつかんでおきなさい、今日という日を手に握っていれば明日に依存することがそれだけ少なくなる、などと講釈して悦に入っておりました。このように幅広く考えさせていただいたおかげで、この間単著4冊、共著5冊、共訳書4冊を出していただけました。今後もここで培った手法を活かしてさらに精進していきたいと思っております。東京からの片道キップ、はてさてこれからわたしはいずこに向かう片道キップを手に入れることができるのだろうかなどと考えています。