平成26年2月15日(土)、教育学部本館4階402号教室で,《科学イノベーション挑戦講座》の最終成果発表会が開催され、受講生の中学生7人が研究成果を発表しました。
本事業は、科学技術振興機構次世代科学者育成プログラムメニューB採択事業であり、中学生を対象に次世代を担う科学者を養成するものです。また、松山市教育委員会?松山市中学校理科主任会おもしろ理科実行委員会が開催する「おもしろ理科教室」と連携して行っています。この講座には、松山市内の5中学校の1、2年生7人(うち女子2人)が参加しました。
最終回となる今回は、教育学部理科教育専修の卒業研究発表会とのジョイント企画で、受講生による最終成果発表会を行いました。受講生は、高校生と一緒に信号反応を用いて反応速度論を調べる研究から始まり、大学レベルの実験や講演など全11回参加し、研究を進めてきました。
後期の講座では、受講生が話し合って決めた愛媛県独自の共同研究テーマ「愛媛県について調べよう!」で、それぞれの役割を分担して研究を行い、下記のとおり成果発表を行いました。
研究(1):「愛媛県のかんきつ類に入っているビタミンCの量を調べよう」
出荷不可能な酸っぱくて食べられないみかんには、通常のみかんの20倍ものビタミンCが含まれており、これが酸味の正体であることを明らかにしました。市場に出回らないみかんについては研究例がなく、本発見は酸っぱいみかんの新しい利用法を開拓できる可能性のある新発見です。
研究(2):「松山市の大気汚染について調べよう」
受講生宅の二酸化窒素濃度を天谷式簡易測定法で測定したところ、室内大気の二酸化窒素濃度が大気環境基準の2倍を超えました。そして、二酸化窒素の排出源が石油ファンヒーターであることを明らかにしました。大気汚染は屋外の汚染ばかりが注目されますが、冬季には屋内大気の汚染が問題となるため、対策が必要となる可能性を明らかにしました。
研究(3):「地震による液状化について調べよう」
液状化のモデル教材を製作して、どのような条件で液状化が起こるのかについて調べた結果を発表しました。
研究(4):「三津の花火の色彩について調べよう」
多彩な色を見せる花火の元が金属原子による発光、炎色反応であることを調べ、炎色反応は絵の具とは異なり、いくつかの色を混ぜても色は混ざらないことを実験で確認しました。
これらの受講生の素晴らしい発表に対して、本学教員、学生、保護者の方から惜しみない賛辞をいただきました。受講生は、将来の日本を担う科学者のリーダーとなることが期待されます。
※本実施は、朝日新聞社2月16日付け朝刊、毎日新聞社3月5日付け朝刊にて報道されました。<教育学部>