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プロテオサイエンスセンター無細胞生命科学部門の竹田浩之助教、澤崎達也教授らの共同研究チームが新たな抗GPCRモノクローナル抗体作製技術を確立しました

 本学プロテオサイエンスセンター無細胞生命科学部門の竹田浩之助教、澤崎達也教授らの共同研究チームは、本学発の技術であるコムギ無細胞タンパク質合成技術を用い、GPCR(Gタンパク質共役受容体)タンパク質の大量合成法と抗GPCR抗体選抜法を開発し、新たな抗GPCRモノクローナル抗体作製技術を確立しました。
 GPCRは最も重要な創薬ターゲットのひとつと知られ、その機能解析や活性制御のためにはGPCRを特異的に認識する抗体が必要でした。しかし、従来の発現系では抗体作製に必要な大量のGPCRの調製が困難であり、また有用な抗体を効率的に選抜する手法がなかったため、GPCRに対する抗体開発は難しいのが現状でした。本技術を用いれば有用な抗GPCR抗体の作製が容易になり、GPCRを対象とした基礎研究のみならずGPCRを標的とした抗体医薬開発への貢献が期待できます。
 なお、本研究成果は、総合学術誌「Nature」の姉妹誌である英国科学誌「Scientific Reports」にオンライン掲載されました。<平成27年6月10日 18:00(日本時間)>

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図1:無細胞GPCR大量合成法

(A)透析重層法
 透析カップを基質液に浸し、そのカップ内でさらに基質液と合成反応液を重層する。反応液の上下に基質液を配することによりアミノ酸などの基質の供給と反応副産物の放出がより効率的に行なわれ、合成量が高くなる。
(B)無細胞合成プロテオリポソームの模式図 
 膜上に埋め込まれたGPCRの方向はランダムである。
(C)透析重層法の汎用性
 透析重層法を用い、25種類のGPCRを同じ条件で合成した。合成したプロテオリポソームを遠心洗浄により精製した。矢頭は合成された目的GPCRのバンドを示す。

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図2:GPCR抗体探索技術、BiLIA法

(A)BiLIA法の模式図
 ビオチン化プロテオリポソーム上のGPCRに抗体が結合すると図のような複合体を形成し、2種類のAlphaScreenビーズが近接、励起光を受けて発光シグナルを発する。
(B)BiLIA法とELISAの比較
 無細胞合成DRD1を免疫したマウスから作製したハイブリドーマ上清をBiLIAおよびELISAでスクリーニングした。各プロットはそれぞれの抗体の結合様式を示し、青丸で示される構造認識抗体はBiLIAのスコアが高いことがわかる。

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図3:無細胞合成プロテオリポソームを用いた抗GPCR抗体作製

 無細胞系で大量合成したGPCRプロテオリポソームをマウスまたはウサギに免疫することで高親和性モノクローナル抗体を作製できる。合成効率の良い無細胞合成技術を抗原調製に用いることで抗体開発の成功率を高めコストを低減する事が可能になる。

掲載紙

Scientific Reports

論文タイトル

Production of monoclonal antibodies against GPCR using cell-free synthesized GPCR antigen and biotinylated liposome-based interaction assay
(和訳)無細胞合成GPCR抗原とビオチン化リポソーム基盤相互作用解析法を用いた抗GPCRモノクローナル抗体作製法

共同研究者

足球即时比分_365体育直播¥球探网プロテオサイエンスセンター   助教 竹田 浩之
           〃           助手 小笠原 富夫
           〃           研究員 岩崎 隆宏
           〃           教授 澤崎 達也
足球即时比分_365体育直播¥球探网先端研究?学術推進機構  特別栄誉教授 遠藤 弥重太
富山大学大学院医学薬学研究科   助教 小澤 龍彦
           〃           教授 村口 篤
Abnova Corp.(台湾)        研究員 Pei-Ju Jih
株式会社セルフリーサイエンス       開発部長 森下 了
北海道大学大学院医学研究科     助教 内ヶ島 基政
           〃           教授 渡邉 雅彦
名古屋大学大学院医学系研究科   教授 藤本 豊士

平成27年6月11日プレスリリース(PDFファイル 1MB)