平成27年6月17日(水)、医学部附属病院で、院内感染対策委員会が主催する院内感染に関する講演会「MERS?今わかっていること?」を開催しました。
今日、報道等で取り上げられている韓国でのMERS(中東呼吸器症候群)の感染拡大を受け、医学部附属病院感染制御部の田内久道部長を講師に、院内感染に関する講演会を開催し、教職員約350人が参加しました。
MERSとは、MERSコロナウイルスによる急性呼吸器症候群のことです。ヒトコブラクダがMERSコロナウイルスを保有しており、中東諸国を中心として発生が確認されています。最近になって、韓国での発生及び感染拡大が報道されていますが、過去にヨーロッパで発生したこともあります。ただし、これまで確認されている感染経路は、いずれも主に院内感染によるものです。MERSは、バスや飛行機でMERS患者の隣に乗った人に感染するのではなく、MERS患者のお見舞いに行った人や同室に入院した人、MERS患者と接触した医療職員等に感染しています。
日本では、検疫体制を強化しており、MERSの疑いのある患者が直接本院を受診することは通常考えられませんが、突然そのような患者が来院する可能性は否定できないため、田内部長から、以下の点について注意するようアナウンスがありました。
?MERS疑い患者を早く発見する。そして、呼吸器症状のある患者については、積極的に海外渡航歴を確認する。
?MERS疑い患者を早期に隔離する(個室で良い)。
?対応には、標準予防策に加え、飛沫予防策、接触予防策を行う。
?感染制御部に連絡し、以後の対応を検討する。
感染制御部では、院内の感染対策を徹底するため、今回受講できなかった人を対象とした講演会の開催を予定しており、院内感染対策の強化に努めることとしています。