平成27年6月14日(日)、いよてつ髙島屋ローズホールで、第35回ヘルスアカデミー「長引く痛みの解決法?痛みセンターの取り組み?」を開催しました。
長引く痛み(慢性痛)を治療するためには、単に痛み止めを処方するだけでなく、病態にあわせた適切な生活指導やリハビリも重要です。また、場合によっては心のケアが必要になることもあり、本学医学部附属病院痛みセンターでは、麻酔科、整形外科、神経内科、精神科の医師やリハビリ、心理療法の専門家が協力して治療に当たっています。 今回は、長引く痛みに対する治療として、「痛みセンター」が実践している新しい取組みを学びました。始めに、本学名誉教授(大学院医学系研究科麻酔?周術期学講座)の長櫓巧氏とNPO法人いたみ医学研究情報センターの川崎元敬理事長から開会の挨拶がありました。
そして、整形外科学講座の尾形直則准教授が座長を務め、第1部では、当院脊椎センターの森野忠夫講師から、原因不明の腰痛に対する治療等「局所の痛み:腰痛と坐骨神経痛」について話がありました。また、麻酔?周術期学講座の檜垣暢宏助教から、全身に激しい痛みを伴う「全身の痛み?線維筋痛症について」と題した講演があり、身近に潜む慢性痛が紹介されました。続いて、総合診療サポートセンターの小手川雄一助教から「痛みと心:心理療法士の立場から」と題し、痛みの対処法の一つとして「リラクゼーション」の実践方法が紹介され、日頃から取り入れられる対処法を学ぶため、参加者は熱心に耳を傾けていました。
第2部では、愛知医科大学学際的痛みセンターの牛田享宏教授を講師に迎え、全国で行ってきた慢性痛に関する研究やアンケート等の分析結果の他、海外での取組みや痛みセンターにおける取組みについて話がありました。
第3部では、麻酔?周術期学講座の萬家俊博教授がコーディネーターを務め、第1部の講演者3人がパネリストとなり、参加者からの質問や疑問にお答えするQ&Aコーナーを設けました。参加者から、「線維筋痛症で使用する薬の副作用」「痛みが激しいときに家族や職場の人など、周りの人から理解を得る方法」「手術を行うタイミング」などについて、慢性の痛みに悩む方からの切実な質問が多く寄せられ、各パネリストが具体例を示しながら、経験に基づいた回答を行いました。
本院では、今年度も皆さんの関心の高いテーマを取り上げ、様々な事例や対応策等を紹介していきたいと考えています。