お知らせ

附属病院で四国初となる「腹腔鏡下広汎子宮全摘術」を実施しました

 平成27年6月5日(金)、本学医学部附属病院産婦人科で、子宮頸がんに対する腹腔鏡下広汎子宮全摘術を四国で初めて実施し成功しました。
 本学医学部附属病院産婦人科では、昨年から腹腔鏡下で子宮体がんの手術を行ってきましたが、今年、子宮頸がんに対する腹腔鏡下広汎子宮全摘術が学内の倫理委員会で承認され、6月5日(金)に、四国で初めて実施し成功しました。
block_67738_01_M この施術の特徴は、開腹術に比べて手術時間は長くなるものの、術中出血量が少なく、腹部の創部が小さい(1-2cmが数個)ため、術後疼痛が軽く済みます。また、手術に伴う腸閉塞や癒着のリスクも低く、術後の回復が早いことが知られています。今回の手術においても、術中の出血量は少なく、合併症も認められませんでした。また、術後の疼痛も軽微であり、術後の回復は極めて早く、患者さんの満足度も高いものとなりました。
 現在、早期子宮頸がんの手術療法として、広汎子宮全摘術が広く行われていますが、ほとんどの手術は開腹下で行われています。開腹下での広汎子宮全摘術では、出血や合併症のリスクが高まるとともに、開腹における切開創が大きいため術後疼痛が強く、回復に時間がかかることが問題となっていました。
 近年、腹腔鏡の技術が進歩したことで、腹腔鏡下広汎子宮全摘術が行われるようになり、昨年12月1日に先進医療として認められたものの、開腹手術に比して、非常に高度な技術を要するため、現時点では全国の一部の施設でのみ行われています。
 今後、子宮頸がん患者の術後生活の質を向上させるため、腹腔鏡下広汎子宮全摘術の普及に努めることにしています。

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切開創

手術時間

出血

術後疼痛

合併症リスク

回復期間

術後QOL

腹腔鏡

小さい

長い

軽微

低い

短い

高い

開腹術

大きい

短い

強い

高い

長い

低い