お知らせ

大学院理工学研究科の御崎洋二教授らの論文がChemistry Letters誌のEditor’s Choice(42巻12号/平成25年12月発行)に選出されました

 この学術雑誌は、日本化学会が刊行する速報誌であり、編集委員会が特に内容の秀逸な論文を厳選し、Editor’s Choiceとして掲載しています。毎月1-4件の論文が、Editor’s Choiceとして選ばれますが、2013年12月号には御崎教授らの論文1報が選出されました。
 今回選出された論文は、有機材料を使った蓄電池(バッテリー)の高性能化に向けた新物質開発について公表したものです。
 環境問題?エネルギー問題を解決するための次世代蓄電池の電極材料として、資源が豊富で環境にやさしい有機材料が注目されておりますが、有機分子は通常蓄電池内部の電解液に用いられる有機溶媒に溶けやすく長期間にわたり充放電を繰り返すのが困難でした。御崎教授らは、自ら開発したオリジナル分子群の構造に改良を加えることにより、従来の分子性物質と比べ充放電の繰り返し特性や放電時に取り出せるエネルギー密度を飛躍的に向上させることに成功しました。これらの物質群の電気容量は、市販のリチウムイオンバッテリーを凌ぐものであり、将来的に有機分子を電極に使った蓄電池へ応用するうえで重要な開発指針を与えるものになります。

論文名:A Tris-fused Tetrathiafulvalene Extended with Cyclohexene-1,4-diylidene: A New Positive Electrode Material for Organic Rechargeable Batteries
Minami Kato, Daisuke Ogi, Masaru Yao, Yohji Misak
Chemistry Letters, 42(12) 1556-1558 (2013).

<工学部>