平成21年3月10日(火)、京都市で開催されたJCOM-38?材料?構造の複合化と機能化に関するシンポジウム?において、黄木景二理工学研究科教授、矢代茂樹同助教、工学部機械工学科4回生の新見浩司さんがJCOM-38論文賞を受賞しました。
受賞した研究題目は「確率的SCGモデルに基づく
トランスバースクラックのマイナー則」です。近年、繊維強化プラスチック(FRP)が広く使用されるようになり、構造物の長期信頼性の観点から損傷や破壊に関する寿命予測が必要とされています。この研究では、脆性材料中のき裂発生を確率的に予測する解析モデルを提案し、このモデルから導出される破壊基準が、経験的な破壊基準として広く知られているマイナー則と一致することを明らかにしました。また、多段繰り返し荷重(疲労)によってFRPに多数発生するき裂(トランスバースクラック)の蓄積の挙動を予測し、予測値が実験結果とよく一致することを示し、提案したモデルの妥当性を実証しました。この研究によって、構造物の信頼性評価の上でカギとなる損傷の蓄積について幅広く適用できる解析モデルを提案した点が高く評価されました。