平成27年8月28日(金)、教育学部で実施している《科学イノベーション挑戦講座》の受講生たちが、霧島酒造株式会社メタン発酵発電施設を訪問しました。
科学イノベーション挑戦講座は、国立研究開発法人科学技術振興機構の次世代科学者育成プログラムメニューB採択事業として、3年目の実施になります。今回の企業訪問では、中学生4人、大学生および大学院生5人が霧島酒造株式会社メタン発酵発電施設(宮崎県都城市)を訪問しました。霧島酒造株式会社は、焼酎で有名な酒造メーカーですが、酒造に伴って出てくる廃棄物の処理と施設稼働のための電力供給、この二つの課題を解決する手法としてメタン発酵発電施設を利用しています。酒造りで発生した芋焼酎粕は、メタン発酵によって、クリーンエネルギーガスの生産、残渣の家畜飼料や肥料として、無駄なく活用されています。
始めに、霧島酒造株式会社の田原副部長から、メタン発酵発電施設の設立の経緯や利用法について説明がありました。また、中学生の質問に対して、新たなことをするためには試行錯誤の連続であること、物事は思ったとおりにはいかないがどうすればうまくいくのかを考える必要があること、企業としての長期的展望に基づいた計画の立て方、安全性確保の重要性などについて、丁寧な説明があり、参加者は大きな刺激を受けました。
その後、参加者は、施設概要の説明を受け、メタン発酵発電施設と付帯設備を見学しました。研究者から、メタン発酵について説明があり、残渣は原料のサツマイモとは全く違うこと、それでも食物繊維など同じ部分もあること、発酵槽は内部熱で温かいことなどに強い興味を示し、メタンガスを使う発電エンジンの大きさに驚いたようです。
そして、田原副部長から「研究とは失敗するもので、むしろ失敗しない方が恐ろしい」という第一線に立つ研究者だからこその意見を伺い、研究では『失敗』こそが価値があるという新しい考え方を学び、研究者として大きな一歩を踏み出す機会を得たようです。
企業見学の貴重な機会を与えていただいた霧島酒造株式会社に深く感謝いたします。