平成27年9月19日(土)、学生プロジェクト研究の一つである「藍染め伝統文化の次代への継承」事業で、教育学部附属小学校の土曜学習「藍染めをしよう」を実施し、1?6年生27人が藍染め体験に参加しました。
本学は「自己表現能力を高める教育を実施し、自ら考え実践する能力」(中期目標)を持つ人材の育成を教育目標に掲げ、こうした能力を身につけるための教育プログラムとして、「学生プロジェクト研究」を行っています。学生プロジェクト研究とは、学生が日頃「自主的に調査?研究したい」と考えているプロジェクトを、大学から経費の支援を受けながら、授業以外の場で「自ら考え実践する能力」を身につけていく事業です。
当日は、大学院教育学研究科2年の和田敬行さんが中心となり、神森貴文さん(教育学研究科2年)、高柳知佳さん(農学研究科2年)、風呂圭祐さん(教育学研究科2年)、橋本愛さん(教育学研究科2年)、三浦孝之さん(教育学研究科1年)、酒井愛奈さん(教育学部4年)、吉金みのりさん(教育学部4年)、富田享さん(教育学部2年)の9人が参加しました。
子どもたちは、基本的な藍染めである「絞り染め」と人気キャラクターのステンシル版画を写し取る「抜き染め」の製作を行いました。 絞り染めでは、木綿ハンカチの生地の一部を輪ゴムを使って思い思いに縛り、染液につけて藍染めをしました。子どもたちは、布を染液から取り出すと緑色から藍色に変化する様子を興味深く観察し、輪ゴムで縛ったあとがきれいに残って白い模様を出す様子に驚きの声を上げました。
また、抜き染めでは、予め藍染めしておいた木綿ハンカチにステンシル版画をのせて、漂白剤を使って藍の色を抜く方法で、型を写し取りました。誰でも簡単に複雑な柄をきれいに写し取ることができること、安全かつ短時間で行えること、子どもたちが好きな人気キャラクターのステンシル版画を用意していることから、子どもたちに大人気の手法です。子どもたちは2つの製作を行って、1つは保護者の方へのプレゼント、もう1つは自分で使用するものにしたようです。
こうして伝統文化に気軽に触れて、楽しい思い出をつくることが次代への伝統の継承において最も重要です。たとえば、かつて日本酒は口噛み酒とよばれ、口の中で噛みくだいた蒸し米を使って作られていました。しかし、現在、そうした手法で日本酒を造っても誰も飲まないでしょう。昔ながらのやり方を続けることも大事ですが、伝統が忘れられ、途絶えては意味がありません。伝統は時代に合わせて変わってもよいのです。誰もが手軽に楽しく、伝統について考えることができるよう、学生たちは子どもたちと楽しみながら過去と未来を繋ぐ活動に従事しています。
本プログラムは、愛媛新聞9月21日朝刊「伊予絣継承へ児童27人挑戦」に掲載されました。