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教育学部?科学イノベーション挑戦講座?受講生が全国受講生研究発表会で優秀賞を受賞し、本学教育学部で表彰式を開催しました【12月3日(木)】

 平成27年12月3日(木)、科学イノベーション挑戦講座を受講している受講生が、9月19日(土)?20日(日)に東京で開催された全国受講生研究発表会で優秀賞を受賞し、本学教育学部で表彰式を開催しました。
 科学イノベーション挑戦講座は、国立研究開発法人科学技術振興機構の次世代科学者育成プログラムメニューB採択事業として3年目の実施になります。
 今回、科学イノベーション挑戦講座を受講している高橋史恵さん、藤村颯さんが、科学技術振興機構主催の全国受講生研究発表会で「酵素を利用した食品づくりの科学」の研究を発表し、優秀賞を受賞しました。表彰式では、三浦和尚副学長から表彰状が授与され、二人は自分たちの行ってきた研究を、教員や保護者の前で発表しました。愛媛県の特産品である伊予のはだか麦を使って地域に貢献する科学研究を進める中学生たちの未来が期待されます。

 「酵素を利用した食品づくりの科学」は、甘酒の水分を飛ばし、おいしい水あめを製造することを目的とした研究です。甘酒の研究は、1回の反応に30分もかかるため、多くの実験を行うことが困難です。これはデンプンが固体状態であり、固体と液体の界面でデンプンの分解反応が進行しているためです。
 そこで、デンプンを液化することで反応速度を上昇させ、短時間で反応が完結する食品として水あめに注目しました。デンプンの液化は、糊化とよばれる方法でデンプンを水溶液中に入れて加熱することを行います。この粘性の高い水溶液に酵素もしくは麹を入れて、反応速度とおいしさについて研究しました。その結果、反応温度が甘酒より20℃低い40℃で、反応速度を6倍にすることに成功しました。また、甘酒と同様にアミラーゼとマルターゼを両方入れた場合にもっとも反応速度が速いこと、ニホンコウジカビがもっとも反応速度が遅いことが明らかになりました。米粉、もち粉、片栗粉、はったい粉、はだか麦と片栗粉など、さまざまな条件で、酵素反応や生物発酵を行い、水あめを製造しました。
 そして、12人?35人を対象にした官能評価の結果、デンプンは片栗粉、条件はアミラーゼ1%濃度、40℃、60分がもっともおいしいという結果を得ました。なぜ穀類デンプンと根茎デンプンでは、根茎デンプンの評価が高いかなどについて今後も研究を続けていきます。

本表彰式は、愛媛新聞12月6日朝刊「県産裸麦 酵素で美味に」で報道されました。