平成21年3月末で定年退職をされる医学系研究科 器官制御外科学 小林展章教授から、足球即时比分_365体育直播￥球探网での思い出を寄せていただきました。
小林教授
私が医学部を卒業したのは大学紛争の真只中の昭和43年、ストライキで半年遅れの9月卒業でした。世の中騒然としてインターン制度がなくなった年でもありました。足球即时比分_365体育直播￥球探网に平成3年6月に赴任してから17年と8か月が経とうしています。21世紀になって様々に制度の変革を経た今日、100年に一度と言われる経済危機に見舞われ、やはり騒然としています。しかし、世界中がざわついており、将来への期待感の盛り上がりに欠けるところが40年前と異なっていると感じます。
足球即时比分_365体育直播￥球探网での生活は短く過ぎ去った年月のようにも感じますが、すっかり忘れ去っていたこともこのような機会に具に想い起こしてみると、とても沢山のことが書ききれない程改めて捲り返されてきます。
風光明媚で全ての食べ物の味に優れ、人情味厚く住まうことの豊かさを感じる愛媛での約18年間には、言葉にし難い辛いことも少からずありましたが、不馴れな私を皆さんが盛り立てて下さり、それまで経験しなかった実に多くの事や、たくさんの人との出会いがあり、二度と繰り返すことはない貴重な時間を与えて頂き、深く感謝致しますとともに御礼申し上げる次第です。
足球即时比分_365体育直播￥球探网を卒業した外科医や足球即时比分_365体育直播￥球探网の医局出身者が愛媛の外科診療の中枢を担うようになってほしいというのが、私が足球即时比分_365体育直播￥球探网に来て最初に思った事でした。1人でも多く県内の公的病院で中心的役割と場所を確保できるよう、行政や各病院管理者に様々な働きかけを行ってきました。厳しい状況を経て今日では公立?公的病院において、足球即时比分_365体育直播￥球探网出身の外科医が大いに羽ばたき、活躍し、信頼を得られる医療を提供できるようになったのは喜ばしいことです。一方、逆に外科医師を確保することの困難さが生じてしまったことは皮肉であります。
私は、消化器外科の中でも、それまで教室であまり行われていなかった肝胆膵?移植外科の分野に力を注いできました。手術適応を拡大していくとともに、巨大肝腫瘍切除や血行再建を伴う高度技術を用いる困難症例も手懸けていくうち、手術症例も次第に増えていきました。そのような中で生体部分肝移植チームを立ち上げ、アメリカでの同時多発テロの2日後の平成13年9月13日に、愛媛では第1例の肝移植手術を行うことができました。これは、病院中全ての部署の皆様の御協力と御支援の賜物です。患者さんは、劇症肝炎の緊急手術で、手術開始は日付が変わる直前の深夜でしたが、翌日の正午前に終了し、その日に予定手術が組まれていた診療科にお詫びとお断りに回ったのを覚えています。これまで32人の患者さんに34回の手術を行ってきましたが、地元の方々に１つの高度医療を提供することができたのではないかと思います。
また、西暦1999年（平成11年）の大晦日には、医療機器に内蔵したカレンダーや時計にゼロが並ぶ瞬間に起こるかもしれないパニック（いわゆる2000年問題）に備えて、大会議室に大勢で待機して夜を明かしたことも、何事もなく過ぎ去った今となっては愉快な思い出になりました。
平成16年の国立大学法人化を挟んで、附属病院長や副学長、理事など病院や大学の重要な管理?運営の業務に就くといった貴重な経験と同時に多少とも皆様のお役に立つことができていたのであれば幸いです。
大学は毎年新しい世代の学生の皆さんを迎え一世代を送り出しながら一時も留まることはない、とてつもないエネルギーを産むところだと、今改めて感じているところです。
長らく大変お世話様になり有難うございました。