国立研究開発法人科学技術振興機構の次世代科学者育成プログラムとは、理科の高い才能を持つ子どもを発掘し、未来の科学者としてその才能を育成するプロジェクトです。平成23年8月19日に閣議決定された第4期科学技術基本計画において、日本が世界最高水準の科学技術を維持するために、次代を担う科学者を育成していく必要が謳われました。そのため、中等教育段階から理科への関心を高め、子どもの裾野を拡大し、優れた素質?才能を伸ばすため推進していくことが期待されています。
本学では、理数分野に関して高い意欲?能力を有する中学生を対象として、大学等が実施する体系的教育プログラムの開発?実施等の取組で児童?生徒の才能を伸長させ、高い課題探究能力を備えた科学者の卵を育成することを目的に、平成25年度?平成27年度の第1期3カ年にわたり、松山市教育委員会をはじめ愛媛県の教育委員会と協働し、「科学イノベーション挑戦講座」を実施してきました。平成28年度で第2期1年目の採択となり、4年連続での採択は全国で初めてです。
平成27年度は、上野製薬株式会社、鹿島建設株式会社、霧島酒造株式会社、田中貴金属工業株式会社、東レ株式会社、ハウス食品株式会社、樋口松之助商店株式会社などの多くの企業のご支援を受け、子どもたちと科学と生活、理論と実践、科学のもつ社会的役割について学んできました。第2期になり、より大きな飛躍を目指し、松山、愛媛から世界に羽ばたく科学者を育成するために大学と地域で、人材の育成をして参りたいと思います。
過去の取組みの様子
人材育成に関する詳細は、以下の著書に記載されています。
(1)Sumida, M., & Ohashi, A. (2015). Chemistry Education for Gifted Learners. In Javier, G. & Elena, S. (Eds.) Chemistry Education : Best Practices, Opportunities and Trends, pp. 469-487, Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA.
(2)中学生への先進的科学教育における計算化学の可能性,大橋淳史,Wavefunction Inc. User Letter,5, 1-4,2015.
(3)電子天秤によるビタミンC の簡易定量法の教材開発,大橋淳史,科学教育研究誌,Vol.39,No.4,310-317, 2015.
(4)化学教育における化学ソフトウェアの可能性,大橋淳史,CICSJ Bulletin,Vol.33,No.4, 90-95, 2015.