理論計算で解き明かす自然の不思議素粒子論と物性理論の研究グループから構成されます。前者の目的は1fm(10-15m)という、想像を絶するミクロの世界での物理法則を探ることです。こうした世界では粒子の生成や消滅が頻繁に起きており、「真空」の概念も見直す必要があるのです。一方、極めて多数(1023個)のこうした粒子の集合体である物質の織り成す、マクロの世界での物理法則を探ることが後者の目的です。対象となる現象は、例えば、相転移現象、超伝導、蛋白質分子の折りたたみから、一見、物質とは無関係な交通流というようなものまで、多岐に渡ります。物理学で明らかにする宇宙の進化宇宙物理学グループは、宇宙が誕生し現在の姿へと進化してきた過程を理解することを目指しています。ハワイの「すばる」望遠鏡や、「すざく」「ひので」といった人工衛星で得られた最新のデータを使って、宇宙の構造、銀河やブラックホールから身近な太陽までを研究対象にしています。またコンピュータシミュレーションを使った宇宙空間の研究や、次世代観測装置の開発も行っています。物理学は自然の本質を論理的に理解しようとする学問であり特に20世紀以降目覚しい発展を遂げて、自然の仕組みを解明してきました。その応用は技術の発達を促進し、現代文明に多大な貢献をしています。科学技術において、新物質の発明、情報処理装置や通信手段の開発、宇宙探査などの諸分野でこの21世紀も引き続き先導的な役割を果たしていくでしょう。物理学コースでは、物質の根源である素粒子から、それから構成される物質のさまざまな性質およびその応用、さらに宇宙の諸現象の理解を目標にした教育?研究を行っています。教育面では特に、「高校との接続、基礎の着実な積み上げ」、「柔軟な応用力」をモットーにしています。また、宇宙進化研究センターとのタイアップで天文学教育も充実しています。大銀河に壊される矮小銀河実験から創る物理学のフロンティア原子やイオンがばらばらの状態にあるプラズマ状態から、ある程度の数の原子が集合して特異な性質を示すナノマテリアル、さらに多くの原子?分子が凝集した固体結晶/アモルファス物質に至るまでの種々の「もの」を作製し、その表面、内部で起こる不思議な物理現象の解明を目的として研究を続けています。また、その成果を基にして機能性材料の開発を目指しています。太陽大気中の磁場のシミュレーション水中で発生させたプラズマ13Physics物質の根源から宇宙の成り立ちまで、本質を理解する。主な研究分野理論物理学宇宙物理学物性物理学物理学コース
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