未来の愛大生へ

2016.06.08
不器用な人を応援します

松岡 淳 教授

●大学院農学研究科 食料生産学専攻
●資源?環境管理

 私は幼少期の多くを北海道札幌市で過ごしました。いわゆる都会育ちの人間ですが、漠然と農業?農村の雰囲気に憧れ、大学は農学部を選択しました。そこで農村調査の面白さにはまり、大学院進学を決意し、研究者としての現在に至っています。専門は農業経済学であり、農地問題を研究テーマとしています。農地は食料供給のみならず、国土保全や景観形成等の多面的な役割を果たしていますが、わが国では、農産物の価格低迷を背景とする農業従事者の減少?高齢化により、農地の荒廃化が進んでいます。私は農村調査をベースとして、経営経済的な視点から農地を守るための仕組みづくりについて考えています。
 さて、研究者というと、世間では頭脳明晰な人が就く職業というイメージがあるようですが、私はそれとは反対の、きわめて要領が悪い不器用な人間であると自負しています。高校?大学時代の成績は、決して優秀とは言えませんでしたし、大学院に進学してからも、研究論文の書き方が良くわからずに悩みました。若い頃は、このような自分に全く自信が持てず、劣等感の強い人間だったと思います。
 しかしながら、研究者生活も27年目となる現在では、不器用な性格だからこそ、得られた事も多いと考えることができるようになりました。手前味噌な言い方になりますが、1つの研究テーマを愚直に追いかけることで、自分だけの何かをつかんだような気もします。
 このようなわけで、私は、自信満々で闊達な人よりも、不器用で訥々とした人の方にシンパシーを感じてしまいます。高校生の皆さんの中にも、かつての私のように、自分に自信が持てず、迷いを抱えている人がおられるのではないかと思います。でも、「何かを学びたい」という姿勢があり、着実な努力を積み重ねれば、必ず道は開けるでしょう。私は、不器用な人や劣等感を持った人を応援しています。足球即时比分_365体育直播¥球探网で共に頑張りましょう。

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