未来の愛大生へ

2021.02.02
愛媛から世界へ発信する臨床研究?知るは楽しみなり、知るは喜びなり?

熊木 天児 教授

●医学部附属病院総合臨床研修センター
●消化器診療、総合診療、地域医療、医学教育

 私は医師になりたい強い気持ちで医学部に進学し、今でも当時のことを思い出します。医師は一人ひとりの患者さんと向き合い、経験を積むにつれて多くの患者さんに役立ちたいと思う様になるものです。その思いを達成させる手段の一つが研究です。そこで、世界レベルの診療を目指し、カナダのトロント大学で肝臓病の診療および臨床研究に従事して来ました。10年前に帰国した際、膵臓病に関する臨床研究グループを立ち上げました。カナダで学んだノウハウを活かし、膵癌の早期診断に関する研究や治療法の適切な選択に関する研究に取り組み、漸く成果を残せる様になりました(2020年足球即时比分_365体育直播¥球探网大学院医学系研究科最優秀論文賞、2021年愛媛医学会賞)。

 一方、ゼッケン「医者」として総合診療や地域医療の診療にも従事して来ました。そして、現在の仕事の中心は医学教育です。実は、医学教育こそ、後進を育成をすることにより出会ったことのない多くの患者さんに役に立てるポテンシャルを持っており、卒業後、7年目に気づきました。そして、日々、医学生や研修医と学んでおります。この様に、医師には「診療」する姿、「研究」する姿、「教育」する姿があり、学生時代には現在の働く姿など全く想像できませんでした。数年毎に新しいことへの挑戦でしたが、「知るは楽しみなり、知るは喜びなり」の気持ちで楽しみながら学んで来ました。

 医学部に入学してから臨床実習の始まる4年生までの期間は葛藤かもしれません。しかし、入学がゴールではなく、国家試験に合格してもゴールではありません。医師としてスタートラインに立っただけです。数年間のトレーニング期間を経て、最高の治療成績を求めて技術を磨く者、最善の治療法を追求するべく研究に没頭する者、地域医療に情熱を燃やす者、後進の教育?指導に没頭する者など、いずれも社会貢献です。

 医学は日々進歩しており、一生学び続けることが医師の使命です。そして、社会貢献することが医師の責任です。これらのことに喜びを感じることのできる職業です。これ以上のやり甲斐はありません。医学部を目指している皆さん、医療と医学研究の進歩に貢献しませんか。

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