この授業は、自分の意見を論理的に相手に伝える能力や問題発見および解決能力を養成し、経営情報に関する基本的知識の習得とその現実社会への応用を目的としています。
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授業内容
折戸研究室では、明治大学商学部村田潔ゼミナールと共同で、スマートフォンの普及に伴い利用者が増加しているSNS(ソーシャル?ネットワーキング?サービス)の一つ「LINE」に関する研究に取り組んでいます。
学生たちは、LINE利用に伴うストレスや心理的負担、いじめやコミュニケーション上のトラブル等を問題視し、多くの利用者がLINEの機能や利用方法、そのリスクについて十分に理解できていない現状があるのではないかと考えました。また、マーケティングやプロモーション等の目的でLINEをビジネスに活用している企業にも着目し、企業と利用者の意識やニーズとのミスマッチや、他国と日本でのLINEの利用や意識の違いに対しても調査を行いたいと考えました。
そこで、LINEの利用実態を把握するために、学生(中学生?高校生?大学生)に対する大規模なアンケート調査と、学生、教員、企業を対象としたインタビュー調査を実施しました。調査の事前準備として、両大学間による合同ゼミを行い、調査項目や方法について意見を出し合いました。
学生は、調査を振り返り、「インタビュー調査で,思うように調査対象者が確保できなかったことが悔しかった」と話してくれました。しかし、「答えてくれる人があってこその研究」と、実際に足を使って築き上げる関係性の大切さを学んだようです。
また、LINEの利用者が比較的多いスペインに注目し、現地の大学生を対象に実態調査を行い、日本とスペインのLINEの利用方法や、問題意識等の比較を試みました。参加した学生からは、「スペインの学生とのやりとりは全て英語で行ったため、質問したいことがうまく伝わらず大変苦労したけれども、貴重な回答を得ることができた」との感想がありました。
学生たちは、学生同士でコミュニケーションを深め、お互いに刺激を受けながら共同研究を進めています。この研究結果は、足球即时比分_365体育直播¥球探网学生による調査?研究プロジェクト(プロジェクトE)の研究成果報告として、発表される予定です。また、学生たちは「プロジェクトEだけでは終わらせたくない」と、保護者や教員にLINEのリアルな利用実態を伝えるべく、活動の幅を広げようとしています。
教員からのコメント
2014年度の専門演習では、LINEの利用実態について調査を行いました。LINEは、一般の学生にとっても、友人や知人とのコミュニケーションや人間関係の維持などに大きな影響を与えるものになってきています。その一方で、既読ストレスやそこでのやり取りがきっかけとなって発生したいじめなどの社会問題が報道されたり、企業のマーケティングツールとして利用されたりしています。
そのような様々な顔を持つLINEに対して調査し、利用者が認識するべき点やビジネスプラットフォームとしてのLINEの有効性などについて明らかにすることを目指しています。特に、これらの調査や研究活動を他大学や外国の学生、教員と共同で実施し、利用者や企業、教員の方々から様々なご意見を聞かせていただくことを通じて、その利用実態を多面的な観点から把握することの重要性を理解し、コミュニケーション能力の向上を図ってもらえたらと考えています。
学生からのコメント
私たちのゼミでは、ソーシャルメディアやSNSの適切な利用方法に関する研究を行っています。その中でも、近年、国内で急速な普及を果たしたLINEを研究対象としています。そのために、学生を中心とした利用者に対してアンケートやインタビュー調査を実施させていただいたり、実際に学校や企業に赴き、インタビュー調査を行ったりすることで、よりリアルでタイムリーな利用実態を把握することに成功できたと考えています。また、ユーザーや利用企業などの視点から、多角的にLINEを見ることでより深い考察を行うことができました。
これらの研究は、明治大学村田ゼミナールの村田潔先生や同ゼミメンバーのみなさんと共同で行い、スペインのRovira i Virgili大学のMario Arias Oliva先生らの協力、学内の国際連携促進事業(事業名「フィールドワークを中心とする学生の海外活動」、代表:法文学部 楢林教授?福井教授)による支援などによって実現できたものです。皆様に心から感謝申し上げます。
東京、スペインでの合同ゼミでは、グループディスカッションやプレゼンテーション、その後には懇親会も行い、とても有意義なものとなりました。他大学と長期にわたって共同研究を行っていくという活動は、本ゼミの最大の特徴であり、強みであると考えています。アクティブに多くの人と関わりながら、成長していきたいと考えている人は、本研究室に是非来てみてください。
この教育活動は、教員の実績ハイライトにも掲載されています。
教員の実績ハイライトとは、教員の「教育活動」「研究活動」「社会的貢献」「管理?運営」ごとに、特色ある成果や業績を精選?抽出したもので、学内のみならず学外にも広く紹介することとしています。